〈観光最前線〉比べることで深く知る
2018年11月11日(日)配信
青森県五所川原市の立佞武多(たちねぷた)は、見上げると「目が合うように」つくられている。そうとばかりに思っていたが、立佞武多の館で見た2年前の作品・出雲阿国は全く違う体をなしていた。かぶき踊りを舞う阿国は、しっかり前を向き未来を見つめているかのよう。菊池忠館長に伺うと「自由な発想で制作にあたる立佞武多師もいる」という。伝統文化のなかで新しい試みがあることを知った。
京都府宇治市の喫茶室・匠の館では、淹れ方で味が変わる宇治玉露を体験できる。一煎目、40度で淹れるとうまみが凝縮された新鮮な味わいに。注ぐ湯の温度を上げながら四煎味わうと、普段飲んでいるお茶に近づいていった。
比べることで知識が深まり、興味が生まれることも。旅行にはそんな入り口が多くあるように思う。
【鈴木 克範】