カジノ法案提出へ、免許制度で民設民営 (IR議連)
カジノの解禁を目指す超党派の議員で構成される「国際観光産業振興議員連盟」(IR議連、細田博之会長)は11月12日に開いた会合で、今臨時国会の会期末までにカジノ設置の推進法案を提出することを確認した。来年の通常国会での審議を経て成立を目指す。また、推進法施行後、1年以内に実施法案をまとめる考えだ。
11月8日には、自民党本部で開かれた観光立国調査会勉強会で、IR議連幹事長の岩屋毅衆議院議員が「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案」(カジノ法案)について説明した。岩屋幹事長は「統合型リゾート(IR)は観光、地域振興につながる成長戦略の一つのツールである」とし、IRの設置数や設置区域は明確に限定し、慎重かつ段階的に導入することを基本的な考え方として示した。
さらに、「大都市型」と「地方型」の2類型で構想することが望ましいとし、「地方公共団体の申請に基づいて、国がIRの設置区域・地点を指定する」とした。
また、カジノの施行は民設民営を基本とし、区域指定を受けた地方公共団体が民間事業者を選定する。これは「民間活力を入れなければ魅力ある施設にならない」という考えからだが、選定された民間事業者は別途、国から免許を取得しなければならない。国は国民の不安などを払拭するために、規制と監視のために内閣府の外局に「カジノ管理委員会」を設置する。同委員会は、立法府、行政府から独立した権限を保持する国の機関として、運営の詳細に関する規制を定め、カジノ施設や運営主体の免許・認証付与、認可に加え、カジノ施行の監視、監督、違法行為の摘発などを担う。
カジノ施行者の売上は一定率を国に納付することが義務付けられ、社会保障の充実など使い道は今後検討される。地方公共団体も、国とは別に条例に定めることで納付金として徴収できるようにする。
青少年への悪影響などの懸念に対しては、入口でIDチェックを行い、未成年の入場を厳格に防止するほか、賭博依存者症患者への対策としては、家族などからの申請があれば入場させない手段も講じる考えだ。
岩屋幹事長は「IR議連は現在約160人の会員を200人まで拡大し、体制の強化もはかっていく」としている。