跡見女子大の篠原ゼミの学生がジャルパック、国交省と協力 熊本県・南阿蘇の魅力を開発しモニターツアー実施
2018年11月16日(金) 配信
跡見学園女子大学で観光を学ぶ篠原ゼミの学生が着地型旅行を企画した「南阿蘇観光未来プロジェクト」のモニターツアーが11月3(土)~4日(日)に実施された。
学生らは今年5月から現地を何度も訪れ、ジャルパック(江利川宗光社長)の支援によってツアーを造成。国土交通省九州地方整備局、熊本県・南阿蘇村の方々と協力しながら、手作りのツアーを開発していった。半年間関わってきた産学官プロジェクトの集大成として、学生らは18人の一般参加者に南阿蘇の魅力を案内した。
同ツアーでは、4年半後に完成予定の「立野ダム」の建設現場を同ダムの工事事務所長の鵜木和博氏と見学する「インフラツーリズム」や、現地ガイドによる阿蘇の世界でも珍しい水無カルデラの地形を学ぶ「ジオツーリズム」など、新たな観光のかたちを提案。さらに、熊本地震で崩落した阿蘇大橋の現場を訪れ、被災者の声を聞く「防災ツーリズム」の要素も取り入れた。
阿蘇山の裾野で200年の歴史を誇る地獄温泉の清風荘は熊本地震で被災した。現在は営業を休止中だが、河津誠社長の営業再開に向けた強い意志を聞きながら、足元から湧き出る「すずめの湯」で足湯も楽しんだ。
さらに、震災の影響で現在、立野~高森駅間を往復運転中の南阿蘇鉄道のトロッコ列車「レストラントレイン」で、学生らが考案したスペシャルランチを振る舞うなど、温かみのある企画が随所に盛り込まれた。
今回のプロジェクトでは、学生たちは現地を4~5回訪れた。「地元を動かすことはすごく大変だと感じた」と印象を語る学生もいた。
篠原靖観光コミュニティ学部准教授は「講義中心の観光学ではなく、地域の人たちと力を合わせて、手作りのツアーで心を伝える体験は、学生たちにとっても貴重な体験となった」と話している。