外国人旅行者の消費拡大へ消費免税制度拡充 簡素な手続きで出店可能に
2018年12月19日(水) 配信
観光庁はこのほど2019年度税制改正で、外国人旅行者向け消費税免税制度を拡充した「臨時免税店制度」の創設が決まったと発表した。地域のお祭りや商店街のイベントに、簡素な手続きで出店できるようにする。地域特産品の販売機会を増やし、外国人旅行者の消費拡大をはかる。来年以降、大型イベントが控えるなか免税販売の環境整備を急いだ。12月14日の与党税制改正大綱に盛り込まれた。
制度開始時期は19年7月1日を予定する。すでに許可がある免税店事業者が、7カ月以内で臨時免税店を設置する場合、事前に承認を受けていれば届出だけでできるようになる。
これまではイベント時などに出店する場合でも、決められた税務署に新たな申請が必要だった。用意する書類も、販売場の見取図や社内の免税販売マニュアル、会社案内などで手間がかかった。手続きを簡素化することで、既存事業者からのニーズにも応えたかたちだ。
一方、今回は地方部を含めた免税店数を底上げする狙いがある。同庁は18年に、地方部の免税店数を2万店規模に増やすことを目指している。観光ビジョンとこれを踏まえた「観光立国推進基本計画」で目標に掲げられている。
同庁によると今年4月時点で、地方部の免税店数は1万7118店だった。10月の発表は遅れているが、前回は半年間で674店しか増えていなかったため、目標達成は厳しい状況にある。2015年の爆買いが収束して伸び悩む外国人旅行者の消費額に、新制度を武器に巻き返しをはかる。