鉄道消費で1578億円 訪客で地方鉄道再生へ 観光庁
2018年12月21日(金) 配信
観光庁は12月20日(木)、訪日外国人の地方鉄道利用促進に向けた初会合を開いた。地方鉄道を軸に沿線地域含め観光コンテンツを整備する。訪日外国人は2016年に鉄道利用で1578億円(同庁推計)消費し、個人で地方を旅するようになっている。一方地方鉄道は厳しい経営状況にある。全国で96社あるうち約8割(76%)が赤字だ。同会で誘客策の方向性をガイドラインにまとめ、地方鉄道の再生をはかる。
地方鉄道の沿線地域には豊かな自然環境や伝統、文化が残る。沿線住民の重要な生活の足であり、訪日外国人に魅力的な観光素材がそろっている。すでに地方鉄道のうち7割ほどが、観光列車として沿線域外からの誘客に取り組んでいる。
ただ課題も多い。多言語での情報発信や、外国人向けの商品造成、受入環境の整備が遅れている。訪日外国人がSNS(交流サイト)など中心に情報収集を行うなか、SNSでの情報発信は日本語のみだという。このため訪日外国人からの認知は低い。
今後は全国調査とヒヤリングをもとに、効果的な「プロモーション」「商品・販売」「受入環境整備」の方向性を決める。年度内にあと3回開き、「インバウンド誘客促進ガイドライン(仮称)」をとりまとめる見通し。来年度にモデル事業者を選定して支援し、磨き上げをはかる。
なお、同会のようすを観光庁ホームページのYouTubeチャンネルで配信する。新たな取り組みで、同庁の田口芳郎参事官は「毎度、東京に人員を派遣してもうことが難しいなか、幅広い人に観てもらえるようにした」と述べた。