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訪客8.7%増の3119万人 消費額も過去最高の4.5兆円に

2019年1月22日
編集部:平綿 裕一

2019年1月22日(火) 配信 

田端浩長官

 観光庁の田端浩長官は1月16日に会見を開き、2018年の訪日外国人旅行者数は前年比8・7%増の3119万1900人で過去最高だったと発表した。田端長官は「LCC(格安航空会社)の新規就航などで航空便数が増え、底上げに寄与した」とみる。訪日外国人旅行消費額も18年は4兆5064億円で過去最高を更新した。日本人出国者数も1895万人で過去最高となり、国内外で旅行需要が高まっている。 【平綿 裕一】

 昨年は、自然災害の多い年だった。7月以降、東アジア(韓国・中国・台湾・香港)の一部市場で伸び率が鈍化傾向になった。ただ12月は東アジア市場すべてでプラスに転じ着実に回復している。田端長官は「『生き生きと前を向いて進んでいく』という気持ちで、目標達成に向けた施策を強力に推進する」と抱負を語った。

 政府は2020年に訪日外国人旅行者数を4千万人、消費額は8兆円などの目標を掲げている。今後は「幅広い国・地域から、確実に増加させるとともに、地方誘客を進める」ことが重要だとした。とくに「インバウンドの効果を全国に波及させることが必要である」と強調した。

 18年年間の東アジア市場をみると、同7・5%増の2288万人となり、全体の7割以上を占めた。中国は838万人で、全市場で初めて800万人を超えた。このほか、タイは100万人を、米国は150万人を初めて突破した。

 アウトバウンドは同6・0%増の1895万4千人で過去最高を記録した。過去5年間は1800万人を超えられず、15年は1621万人まで下がっていたが、初の2千万人も視野に入った。

 19年は新規就航も多く計画されている。例えば、全日本空輸は2月にウィーン、9月にパース、日本航空が3月にシアトルなどとなる。田端長官は「アウトバウンド需要には、非常にいい環境にある」と期待感を示した。

地方で外国人材受け入れを

 4月からは外国人材の受け入れが始まる見通し。入管法に基づく新たな在留資格制度に関して、政府は12月25日に基本方針、分野別の運用方針を決定した。

 田端長官は4月施行に向け、「制度の認知や技能試験の準備など、関係業界、関係省庁と連携して万全の準備を尽くしていく」と話した。

 「外国人材受け入れは、大都市圏に集中するのではなく、地方部でも受け入れられるようにする必要がある」(田端長官)。地方部における外国人旅行者の宿泊需要の増加に対応する考えだ。このため、「各地域の宿泊施設における、生活環境整備の優良事例の情報発信などに取り組んでいきたい」と展望を語った。

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