絵画テーマに特別公開 定観バス特別コースも設定(第53回「京の冬の旅」)
2019年2月1日(金) 配信
非公開文化財の特別公開などを行う恒例のキャンペーン「京の冬の旅」(京都市・京都市観光協会主催)が3月18日まで実施されている。
53回目を迎えた今回のテーマは、「京都にみる日本の絵画~近世から現代~」。平安遷都以来およそ1100年の間、日本の都であり、文化・芸術の中心地であった京都には数多くの名画が現存。真言宗智山(ちさん)派の総本山、智積(ちしゃく)院(東山区)や、妙心寺の塔頭寺院、妙心寺天球院(右京区)など15寺院で貴重な文化財を特別公開している。
それらを巡る定期観光バス特別コースも設定。JR京都駅を発着点に4コースあり同日まで毎日運行する(一部運休あり)。
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1月8日に行われた報道機関や旅行会社向けの試乗・取材会で、定観バス特別コース「長谷川等伯と狩野山楽の世界」に乗車した。智積院や妙心寺天球院のほか、本法寺(上京区)建仁寺霊源院(東山区)の4寺院を1日かけて回る。料金は大人9200円で午前10時出発。所要約6時間。
智積院は安土桃山時代に活躍し同時代を代表する絵師、長谷川等伯と息子・久蔵が描いた国宝の障壁画を公開。等伯が26歳の若さで亡くなった息子を悼み描いた「楓図」(国宝)は、巨木の生命力溢れる大胆な構図と繊細な秋の風情を見事に表現した傑作。
妙心寺天球院では、京狩野の絵師、狩野山楽と山雪の絢爛豪華な障壁画を公開。方丈(重文)内部を飾る152面の障壁画がほぼ完全な状態で伝えられてきた。方丈南側の3室に描かれた「竹虎図」「梅に遊禽図(ゆうきんず)」「籬草花図(まがきそうかず)」(いずれも重文・高精細複製品)は、金地に映える鮮やかな色彩と幾何学的な画面構成が見どころだ。
本法寺は狩野山楽筆の「唐獅子図屏風」などの絵画を公開。巨大さと見事な描写から「京都三大涅槃図」の1つに数えられる長谷川等伯筆「佛涅槃図」(重文)の複製も展示されている。
建仁寺霊源院では同院で出家した戦国大名・今川義元の生誕500年を記念し、義元筆の書状や織田信長筆書状、千利休筆書状、狩野山楽筆「布袋像」などが初公開。
なお、同コースの昼食は妙心寺御用達の名店、「阿じろ」で京料理会席。名物・餡かけの「黄鐘うどん」などが味わえる。