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otomo、通訳ガイドと外客つなぐ 地域めぐり コンテンツ武器に

2019年2月22日
編集部:平綿 裕一

2019年2月22日(金) 配信 

北川朝輝氏(右)と広報担当の大谷祥平氏

 スタートアップ企業のotomo(オトモ、東京都文京区)が1月22日、通訳ガイドと外国人旅行者をつなぐサービスを始めた。外国人旅行者にプランとガイドを選んでもらうCtoCのプラットフォームを提供する。プラン選択後、同社が条件に合うガイドを手配するBtoCモデルも行う。自分たちの足で一つひとつ地域を巡り作り上げたプランの「コンテンツ」を武器に攻勢をかける。創業メンバーの取締役COOの北川朝輝氏に話を聞いた。【平綿 裕一】

 「ただ案内するだけでなく、ガイドと旅行者はその出会いを楽しんでほしい。旅先での出会いが、その後のつながりになることもある。インバウンド領域でこのようなサービスはあまりない。だからこそ我われは『新しい旅のスタイルの創造』を理念に掲げている」(北川氏)。

 事業の柱はガイド付きプライベートツアーだ。肝となるプランは1都3県(神奈川、千葉、埼玉)で、計150種類以上を用意した。すべて現地を訪れた。プランに5、6カ所のスポットを組み込むため、1千カ所以上の地域を練り歩いた。北川氏は「定番スポットではなくても、魅力的な場所は多くある」と話す。

 例えば、和紙の産地の埼玉・小川町は、人口が約3万人の小ぢんまりした街だ。外国人からの認知度は低いが、1千年以上の伝統を誇る和紙づくり体験や昔ながらの街並みが人気だという。

 プランは現行から倍の300種類に増やす見通し。今後は関西圏にも進出し、13都道府県にサービスを拡げる。

 一方、ガイドの質の担保は力を入れる。ガイド登録はWeb上でできる。ただ、個別面談をしなければサイトに公開されず、ツアーに参加できない状態のまま。北川氏は「ガイドからすれば、Web登録だけで、いきなり案件が入ると心理的にハードルが高い。顔を合わせることは双方にメリットがある」と狙いを述べた。

 支援も手厚い。ガイドには地図ツールのようなものを提供している。ツールはスマートフォンで見ることができるいわゆるルートマップ。地図上に道順が示され、各スポットで説明すべき情報を確認できる。

 「一般的な企業のマニュアルに相当する。このツールはかなり注力した。案内時に必要な情報が詰まっている。従来の約3分の1まで、下見などのガイド業務負荷を軽量化できる」という。

 手間を省いた分、価格にも好循環をもたらした。業務効率を上げることでコストを抑えた。ガイド付きプライベートツアーという高価な商品を、1―2万円の価格帯でできるようになった。

 ガイドはサービス開始から100人近く増え、現在は約300人いる。今後は関西地域で200人ほどガイドを集め、2、3年後に5千人ほどに増やしたい考え。北川氏は「数だけ増やせばいいというわけではないが、しっかりと質を担保しながら拡大していきたい」と展望を語った。

 制度や市場には追い風が吹いている。18年1月に改正通訳案内士法が施行され、有償でのガイドを誰でもできるようになった。

 外国人旅行者の旅行形態はFIT(個人旅行)に移り変わり、地方部に訪れ宿泊する数も増えている。地方部の外国人旅行者の延べ宿泊者数は、12―17年の5年間で約2・8 倍に増えた。より深い日本を体験しようとニーズが多様化している。商機はある。

 ただ、ガイドと訪日外国人をつなぐサービスは後発にあたる。すでにエイチ・アイ・エス(HIS)は改正通訳案内士法の施行日に合わせ、同様のサービスを始めている。

 北川氏は「ハンディキャップはある。しかしコンテンツには相当こだわった。最終的には、素晴らしいコンテンツとガイドを組み合わせることで、外国人旅行者に刺さるはず」と自信をみせた。

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