国交省、“インフラツーリズム魅力増大PJ”実施へ モデル地区で協議会設立も
2019年2月26日(火) 配信
国土交通省は2月26日(火)、第3回のインフラツーリズム拡大に向けた有識者会議を開いた。事務局は提言(案)と来年度以降の方向性を示した。2020年に向け「インフラツーリズム魅力倍増プロジェクト(仮称)」を進める。PJを通じ、モデル地区でインフラツーリズム推進協議会(仮称)を設立。実施には手引き(試行版)を活用していく。提言と手引きは年度内に公表する見通しだ。
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手引きは「誘客」「受入環境整備」「持続的な展開」を柱に、各インフラツーリズムの勘所(好事例のポイント)を整理してまとめたもの。それぞれの施設が目指す方向性に合わせ、取り組むべき項目を学ぶことができる。
PJの主なメニューは「モデル地区での社会実験」「国内外への情報発信」「インバウンド対応」となる。
モデル地区は全国から5カ所ほど選定する。施設の魅力を高め、周辺観光も巻き込んだツアー造成に取り組む考え。
社会実験後も持続的に取り組むよう、施設ごとに「インフラツーリズム推進協議会(仮称)」を設置する。地元関係機関などで組成し、地域住民の理解を得られやすいようにする。
ツアーの企画・運営は、観光協会やDMOなどと連携して行う。その後、ファムツアーなどで検証して改善点を把握し、整理・分析する。好事例はさらに横展開していく。
「インフラツーリズムに関する報道も多くなってきた。だからこそ、表層だけでなく、また単なるPRではなく、しっかりとツーリズムとして落とし込むことが必要になる」。座長の清水哲夫氏(首都大学東京大学院都市環境科学研究科教授)は同会で意気込みを語った。
PJでは、「旅行消費額」「満足度」「リピーター率」「認知度」などの質の指標を設定する。
政府はインフラツーリズムで、20年に来訪者数100万人(17年:50万人)を目指している。ただ、委員から数だけの目標に対する指摘があり、新たに質の指標を設けた。
一方、国交省はとくに情報発信とインバウンド対応を担う。同省の「インフラツーリズムポータルサイト」をリニューアルし、情報を充実させて多言語化する。
PR動画も制作する。ドローンなどを活用して、インフラの魅力や迫力を生かしたものとする。このほか、シンポジウムの開催や情報誌を製作していく見通し。
インバウンド対応はファムツアー時の意見を汲み取るほか、海外ウェブ調査によるニーズ把握も行う狙い。