2030年のサービス・ツーリズム産業を考える サービス連合がフォーラム開く
2019年2月28日(木) 配信
サービス・ツーリズム産業労働組合連合会(後藤常康会長)は2月22日(金)、東京都内で観光政策フォーラムを開いた。トークセッションでは「2030年のサービス・ツーリズム産業を考える」をテーマに、働き方改革や生産性向上など業界が抱える課題に対して意見を出し合った。
登壇者の観光庁審議官・金井昭彦氏は、観光業が他産業と比較して魅力的にうつるためには、賃金アップが必要とした。そのうえで、「観光業界分野へのニーズや可能性はある。世界が激動するなか、観光業界の成長をどう取り込めるかが重要。質の高いものをつくり、収入を得て、いい人材を活性化させてほしい」と呼び掛けた。
東洋大学の国際観光学部教授矢ケ崎紀子氏も同じく、賃金アップを重要な課題に挙げ、「外国の観光の世界の常識は、『良いものは高い』が世界の観光業の考え。そのため相応の価格の相応の価格のモノをつくる力を伸ばしてほしい」と要請。「旅行が人を育てるということを追求し、他産業に役に立つ観光業界であってほしい。そうなれば、他産業からの支援も得られ、立派な産業になる」と語った。
一橋大学大学院の経営管理研究科教授山内弘隆氏は、「働き方の慣習は、なかなか動かない。政策を打ち出すことも重要だが、インセンティブがあって初めて人々の習慣は変わると思う。もちろん、楽しい旅行に行きたくなることも、インセンティブになる」と、休暇改革に関する持論を展開した。
トークセッションに先駆けて、外交評論家の岡本行雄氏が「激動の国際社会と日本」と題し、講演を行った。アジア情勢について解説するほか、日本人の国際化についても言及。「国際化の需要な資質は、おもいやり。しかし日本人は、見知らぬ人に親切にすることが不得手。インクルージョンな国を目指すことが大切」と語った。