18年、延べ宿泊者数は減少 外国人は8859万人泊で過去最高に
2019年3月11日(月) 配信
観光庁がこのほど発表した2018年年間の宿泊旅行統計調査(速報値)結果によると、延べ宿泊者数は前年比0・1%減の5億902万人泊だった。外国人延べ宿泊者数は同11・2%増の8859万人泊で過去最高値を記録した。全体に占める割合は17・4%で、前年から1・8ポイント増えた。地方部は3636万人泊とシェアが4割を占めた。日本人延べ宿泊者数は同2・2%減の4億2043万人泊だった。政府目標の20年に「地方部での外国人延べ宿泊者数7千万人泊」には道半ばだ。 【平綿 裕一】
延べ宿泊者数の都道府県別順位は、1位が東京で6120万人泊(2・1%増)となった。次いで大阪が3576万人泊(7・7%増)、北海道が3527万人泊(0・8%減)、千葉が2518万人泊(2・2%増)、沖縄が2283万人泊(5・3%増)の順。
外国人延べ宿泊者数の都道府県別順位も東京が2177万人泊(10・1%増)で1位となった。2位は大阪で1389万人泊(19・0%増)、3位は北海道で818万人泊(6・2%増)、4位は京都で571万人泊(2・7%増)、5位は千葉で406万人泊(10・4%増)だった。
延べ宿泊者数と外国人延べ宿泊者数の都道県別順位の上位5位は、前年から変動なし。ただこのうち伸び率をみると、大阪がいずれも最も高く伸びており、勢いをみせている。
国籍別では、中国が2094万人泊(19・0%増)で1位となり、4分の1以上のシェアを占めた。2位以下は台湾が1147万人泊(0・7%増)、韓国が1126万人泊(2・2%増)、香港が594万人泊(5・0%減)、米国が533万人泊(11・4%増)だった。
伸び率はイタリアが29・8%増(71万人泊)、フランスが23・6%増(111万人泊)、インドが21・1%増(46万人泊)と大きく伸びた。
各都道府県のトップの国・地域をみると、台湾が地方部を中心に20県を占めた。中国は三大都市圏を中心に16都道府県、韓国は九州地方を中心に8県となっている。徳島と鹿児島は香港が1位で、広島は欧州が1位となった。
このほか、客室稼働率は全体で61・1%となった。施設タイプ別では、シティホテルが79・9%、ビジネスホテルが75・3%、リゾートホテルが58・3%、旅館が39・0%だった。簡易宿所は28・6%。簡易宿所以外は、2010年に調査を拡充してからの最高値となった。
東京都は全体(80・3%)と、ビジネスホテル(84・8%)、旅館(57・5%)の稼働率が全国で最も高かった。大阪のリゾートホテルの稼働率は90・4%で、全都道府県と全施設タイプのなかで唯一、9割を超えた。