【特集No.518】 国際観光振興に技術で貢献 観光技術のプラットフォーム目指す
2019年3月20日(水) 配信
国際観光施設協会(鈴木裕会長)は、「国際観光振興に技術で貢献する」ことを理念に活動している。最新技術を生かし、生産性向上など観光業界の課題解決に向けた提案を積極的に行う。新設されたホテル&リゾート分科会(野出木貴夫分科会長)は、中小旅館の人手不足を解消するためにAI(人工知能)を活用した自動搬送機を試作。また、バリアフリー客室を充足させるため、新型電動車イスを考案するなど、観光技術のプラットフォームを目指している。
□テーマは「社会貢献」 協会として研究の場を提供
18年度、ホテル都市分科会と旅館観光地分科会を発展的に統合して、ホテル&リゾート分科会が設立された。新ユニバーサルデザイン(UD)客室研究や、AIの活用など5つのテーマで活動している。
野出木分科会長は、「協会員の関心が高く、社会貢献に資するテーマで研究を進めている」とし、「専門メーカーなど技術を持つ人や企業をつなぐプラットフォームの役割もある。また、研究の場所を提供するのも、協会の使命だ」と語った。
活動では、野外イベント用管理木柵「Ki―saku」(福島版)が、ウッドデザイン賞2018に入賞した。コンセプトに共感した岐阜県と神奈川県小田原市の林業、木材関係業者らがアイデアを出し合い、それぞれの地域オリジナルの木柵を作製。「ぎふ清流マラソン」や、「箱根駅伝」で使用された。
新たにスタートした新UD客室の研究では、新型の車イスを提案。AIの活用では「自動搬送機(ITワゴン)」を試作した。アイデアを提案し、企業に広く発信。興味、関心を示す企業に協会会員として参画してもらい、研究を重ねながら、会員企業が試作品を実用化させ、市場に流通させることを目指す。
この3点の成果は、国際ホテル・レストラン・ショー(2月19―22日)で発表され、来場者との意見交換を行った。
日本旅館協会や、全日本シティホテル連盟などとの連携も重視している。日本旅館協会は、自動搬送機の実証実験に協力。使用者の立場から、実用化に向けた提案を行う。……
【全文は、本紙1748号または3月27日(水)以降日経テレコン21でお読みいただけます。】