「味のある街」「朝茶漬け」――休暇村館山(千葉県館山市)
2019年4月7日(日) 配信
近年、朝食は旅の楽しみの一つとして存在感を増してきている。とくに女性にとっては、夜よりも朝食べる方が健康的で食欲も湧くと、魅力を感じる場合も多いだろう。宿泊施設も地域ぐるみで「朝ごはん」をPRするところがあり、全国規模のコンテストも行われている。
千葉県館山市にある休暇村館山では、今年1月から朝食のビュッフェで「朝茶漬け」の提供を始めた。朝食ビュッフェは富士山、南アルプス、三浦半島などが一望できるオーシャンビューのレストランで実施している。レストラン内の屋台で焼いた焼き立てイワシや、本場ヨーロッパの生地を使った4種の特製パンなどが人気だが、今秋の消費税率引き上げなどを見越し、新しい試みをと始められた。
朝茶漬けのトッピングは約20種類。海苔や昆布、梅干しなどの定番の具はもちろん完備。たくあんは刻んだ形で提供されており、さらさらと喉越しよく食べられる。地魚漬けがあるのは、海に面した館山ならではだ。そぼろなど甘辛い具もあり、味に変化をつけられる。さらに刻みキャベツやレタスなどの野菜、シーチキンやチーズなど変わり種もあり、子供も喜びそうだ。薬味としてわさび、ゆず胡椒のほか、あられがあるのもうれしい。その上からかける出汁は、和風と洋風が準備されている。
地元・千葉県産のコシヒカリが使われており、白飯自体が美味しくいただける。ここでしか食べられないお茶漬けになっている。普段は朝食にパンを食べることが多い私も、思わず惹かれ、美味しくいただいた。
ほかにも、休暇村館山では朝に体験できる「ふれあいプログラム」も充実している。「ビーチコーミング」は海岸に流れてきた漂着物を拾うもので、タカラガイやイタヤガイ、シーグラスのほか、イルカの耳骨が見つかることもある。ノルディックポールのレンタルも行っているので、施設周辺の海岸などでウォーキングもできる。エコバッグやエコボトル、風鈴作りも朝から体験可能だ。さまざまなアクティビティと、館山ならではのおいしい朝ごはんで、朝から充実した時間が過ごせそうだ。
(トラベルキャスター)
コラムニスト紹介
トラベルキャスター 津田令子氏
社団法人日本観光協会旅番組室長を経てフリーの旅行ジャーナリストに。全国約3000カ所を旅する経験から、旅の楽しさを伝えるトラベルキャスターとしてテレビ・ラジオなどに出演する。観光大使や市町村などのアドバイザー、カルチャースクールの講師も務める。NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長。著書多数。