広島・呉発展の歴史に触れる旅②瀬戸内の島「下蒲刈島」と「大崎下島」を巡る
2019年4月2日(火) 配信
広島県呉市は、「旧海軍鎮守府」と「朝鮮通信使」、「北前船」の3つの歴史物語を核に、1泊2日の滞在型観光地づくりを進めている。JR呉駅を中心に点在する旧海軍関連の史跡と、とびしま海道が結ぶ「下蒲刈島」と「御手洗」(大崎下島)を巡り、呉の発展の歴史に触れる。また、ここでしか見られない景色、グルメを歴史と絡め楽しむことで、呉の魅力を堪能してもらいたい考え。情報発信を強化に加え、朝や夜の観光コンテンツの造成も進めている。Webでは、2回に分け、魅力を発信。今回は、「朝鮮通信使」と「北前船」と呉の歴史物語を辿る。
□交通の要所「下蒲刈島」
「安芸灘とびしま海道」は、呉市の南東に位置する下蒲刈島から愛媛県今治市の岡村島を7つの橋で結ぶ。古くから瀬戸内海の交流の要所として栄えた下蒲刈島は江戸時代、朝鮮通信使や、参勤交代の西国大名が立ち寄る港として重要な位置を占めていた。4つの資料館からなる「松濤園」には、朝鮮通信使の歴史を紹介する資料館がある。所蔵する「朝鮮人来朝覚備前御馳走船行烈図」は、ユネスコの世界記憶遺産登に録されている。
また島には、洋画家須田国太郎氏の常設展示室がある「三之瀬御本陣芸術文化館」や、川合玉堂、横山大観ら日本画の重鎮の作品を収蔵する「蘭島閣美術館」などもある。
□時代の面影残る御手洗
江戸時代、潮待ち・風待ちの港町として栄えた御手洗は江戸時代、北前船の寄港地として大いににぎわった。
江戸から昭和まで4つの時代の面影を残し、「重要伝統的建造物群保存地区」に指定されている。江戸時代一番大きな茶屋だった「若胡子屋跡」や、昭和の映画館「乙女座」など個性的な建物が並ぶ街並みは、全国的にも稀有。4月からは、新たに「旧金子家住宅」が公開される。
幕末に長州藩と広島藩が討幕のために「御手洗条約」を結んだ家で、坂本龍馬や中岡新太郎も訪れたという。
金子家が要人の接待のためだけに使用したようで、当時のようすが良く残っているという。