町工場の職人技が光るホテルが東京・蒲田に開業
2019年4月19日(金) 配信
ホテル運営会社のホテルマネージメントジャパン(東俊三社長、東京都渋谷区)は2019年4月19日(金)、東京・蒲田に「ホテル オリエンタルエクスプレス 東京蒲田」を開業した。高い技術を持つ職人と町工場が集積する“蒲田”という地域性を生かし、館内の各所に「職人の技の競演」を取り入れた新しいスタイルのホテルだ。また、音声ガイドアプリと連携し、宿泊者が専用アプリをダウンロードすると館内の展示物の案内が聴けるほか、周辺の街歩きの情報を好きなときに得ることができる。これらの取り組みは、新しい「滞在のカタチ」となりそうだ。
蒲田がある東京都大田区は、約3500もの工場が集積する「ものづくりのまち」として知られている。ほとんどが従業員9人以下の小さな町工場だが、世界に誇れる技術を持つ職人が集まっている。周辺には職人が通う食堂や居酒屋、銭湯が点在し、大都会の東京でありながら、どこか懐かしい雰囲気を味わうことができる。
4月17日(水)に行われた内覧会で、プロジェクトリーダーでホテルマネージメントジャパンの箕輪将臣氏は「日本ブランドである町工場の技術とホテルが融合し、蒲田に根ざしたホテル展開をしていきたい」と期待を込めた。町工場代表で太田工業連合会青年部連絡協議会委員長の関英一氏は「こんなかたちで技術をアピールできると思っていなかった。ホテルから技術を世界に発信したい」と喜びを述べた。また、ホテル館内と周辺の街案内の音声ガイドアプリを作成した「ON THE TRIP」社長の成瀬勇輝氏は「プロセスを伝えることを心がけた。街案内は夕方以降に出かける人向けに温泉や居酒屋を職人が案内するイメージで作った」と制作への思いを語った。
エントランスには町工場で実際に使用されていた工作機械が展示されているほか、フロアごとに町工場が製作した階数表示、客室内の建築物など、ここでしか見られない職人たちの技術が随所に取り入れられている。外国人旅行客やビジネスで宿泊する技術者をはじめ、SNS映えする場所に興味がある女性も気になるホテルであり、注目を集めるスポットになりそうだ。
□職人たちの技
6階のフロア表示。テーマは「曲げる」。技術、溶接技術、表面を処理する技術が間近に見ることができる。素材はステンレスパイプ。2階は「掘る」、3階は「削る」など、各階ごとに作品が異なる。
【2】館内の建築素材
客室のヘッドボードは、複数枚のベニアを交互に重ねて接着。高い強度を持つ。木材をふんだんに取り入れた客室は、温かみが感じられる。
客室外側の壁は、アルミニウムと亜鉛合金めっき鋼板。防食性が高い。通常、建物の外壁や屋根などに用いられる。
ロビーの天井や廊下にエキスパンドメタルを使用。軽量だが強度がある。
【3】朝食
かつて職人が食べたであろう「お弁当」をイメージしたスタイル。バイキング形式で、おかずやおにぎりを皿でなくお弁当に詰める。おにぎりなどの和食のほか、パンやヨーグルトの洋食も用意されている。出来上がったお弁当は、レストランか客室で食べられる。
□客室の一例
シングルルームは、客室数36、広さ13.5平方㍍。ダブルルームは、客室数32、広さは13.5平方㍍。
ツインルームは、客室数78、広さは17.0平方㍍。
トリプルルームは、客室数11、広さ20.0平方㍍。ユニバーサルルーム(車椅子対応)は、客室数1室、広さ20.0平方㍍。
□ホテル概要
名称:ホテル オリエンタルエクスプレス 東京蒲田
開業日:2019 年4月19日(金)
所在地:〒144-0035 東京都大田区南蒲田1-3-15
電話番号:03-3733-5511
施設規模:地上6階
客室数:158室(シングル36室、ダブル32室、ツイン78室、トリプル11室、ユニバーサル1室)
レストラン:エクスプレスカフェ(宿泊者限定)【朝食】午前6:30~10:00 、【カフェ】午前10:00~午前0:00
アクセス:京浜急行線「京急蒲田」駅東口より徒歩3 分