〈観光最前線〉一番美しい「円筒分水」
2019年5月11日(土) 配信
最初に日本で一番美しいといわれるものを見てしまった。場所は富山県魚津市。名前は東山円筒分水槽。
円筒分水槽は、農業用水を分配する水利施設だが、いくつかある分水方法のなかでも、「公平性が誰の目にも明らか」なのが特徴だ。サイフォンの原理で円筒状の中心部から水を湧き出させ、外周部から越流させて分水している。
東山円筒分水槽は1950年、この工法として初めて富山県下で造られた。70年近く経った今も支障なく用水を供給している。ここに立つと、水を奪い合っていた日常を、知恵と技術で乗り越えた歴史を垣間見ることができる。
円筒からあふれる水の落差が大きいのが、美しいと言われるゆえんだ。「日本一」の冠はWebサイト「円筒分水.COM」によるもの。同感です。
【鈴木 克範】