【第5回「旅館100選」台湾商談会】台湾側から47社参加 これまで以上の商談件数に(旅行新聞新社主催)
2019年5月10日(金) 配信
旅行新聞新社(石井貞德社長)は4月16日、台湾・台北市内のホテルで「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」入選旅館と、台湾の旅行社との商談会を開いた。同事業は2015年に「旅館100選」発表40周年を記念してスタート。5回目の今年、台湾の旅行社は47社69人が参加した。日本の旅館は13軒16人が参加。個別ブースでは、最新情報を交換しながら真剣な商談が繰り広げられ、会場は熱気に包まれた。 【編集部】
◇
同商談会は、本紙と提携する台湾の観光業界専門誌「旅奇」(TRAVEL RICH)が企画協力しており、台湾の旅行社が来場して旅館との個別商談会に臨んだ。
冒頭のあいさつで、旅行新聞新社の石井貞德社長は「2018年の訪日外国人数は過去最高の3119万人を記録。振り返ると、西日本での豪雨や北海道の地震など自然災害が相次ぐなか、台湾の皆様からもいち早く支援をいただいた」と語り、感謝の言葉を述べた。「そのなかで昨年は約480万人が台湾から来日したが、逆に日本から台湾への出国者数は200万人そこそこ。もっと日本から台湾への観光を促進したい」と主張。「今後も皆様の協力のもと、日本の文化である旅館を盛り上げていきたい」と意気込みを語った。
進行はまず、旅館側を紹介したあと、商談を約2時間、ティータイムを取りながら行われた。会場は、参加した13旅館ごとにブースを設置。旅行社の担当者が自由に訪ねて、じっくりと個別商談ができるようにした。
旅館側からは、満足の成果を得られた商談会だったという声が多く聞かれ、初めての参加者からは「旅館100選の関心度の高さが伝わった」という声もあった。今回、「台湾から旅館までの交通手段とあわせて、観光ルートを聞かれることが多かった。地域の観光資源に対する関心が高く、国内向け商品と同規模の企画が必要」など、具体的な今後の企画方針を得られたと話す人もいた。
会場には台湾のテレビ局である中天電視台が取材として来場し、石井社長と旅館側の参加者がインタビューに答えた。
石井社長はテレビ局に向け「旅館100選」を紹介し、日本で最も歴史のある旅館を対象にした催しであると説明。選ばれた旅館の心情に関する質問に対し、「光栄に思っていただいていると思う。また、選ばれていない旅館はさらに選ばれるよう努力をされているのでは」と旅館の意識向上に貢献していると自負した。
旅館側は、群馬県・磯部温泉の舌切雀のお宿ホテル磯部ガーデンの櫻井太作社長が取材を受けた。初めての台湾商談会で「群馬県はまだ認知度が低く、来ていない人が多いと知った。磯部温泉は“温泉マーク発祥の地”で、上州牛やうどんなどの地元の食もある。ぜひ台湾の皆さん来てください」とアピールした。
商談会会場は各ブースとも熱気に包まれ、「今年はこれまで以上の商談件数だった」といった評価もあった。
商談会のあとは、各旅館が日本から持参した日本酒や地元産品、宿泊券などが当たる抽選会も開催。ステージで当選者の名前が読み上げられると歓声が上がり、旅館側とのコミュニケーションを一層深めた。
◇
□台北市旅行商業同業公會を表敬訪問
「旅館100選」台湾商談会の翌17日、本紙の石井貞德社長は、台北市旅行商業同業公會の吳志健理事長と、許展瑋理事を表敬訪問した。
吳理事長は「『100選』という肩書はインパクトがある。第三者の投票で信頼性が高い」と台湾での評価を語った。
石井社長は今回の「旅館100選」台湾商談会の成果を報告。日台両国の観光交流の促進に向け、要望や課題解決の情報共有に貢献していきたい考えを語った。