【鳥取市因幡万葉歴史館】万葉集むすびの地・鳥取へ 令和で脚光の歴史館から周遊を
2019年5月13日(月) 配信
日本に現存する最古の歌集「万葉集」を典拠とした新しい元号「令和」の時代が幕を開けた。
万葉集には4500首以上の歌が収められているが、その最後を飾る歌を詠んだのが、天平宝字2(758)年、現在の鳥取県東部にあたる因幡国に国守として赴任した大伴家持(おおとものやかもち)だ。
新(あらた)しき
年の始(はじめ)の
初春(はつはる)の
今日(けふ)降る雪の
いや重(し)け吉事(よごと)
「新しい年の初め、新春の今日降る雪のように、良いことが重なれ」という意味の歌を赴任した翌年の元旦に詠んでいることから、鳥取県では「万葉集むすびの地」としてのPRを強化。鳥取市国府町には家持の生涯や古代因幡・万葉文化にふれることができる「鳥取市因幡万葉歴史館」があり、令和の初めに、同館を起点にした周遊観光を呼び掛けている。
鳥取市因幡万葉歴史館には、家持の生涯にスポットをあて、因幡での生活の再現映像などを放映する「大伴家持ホール」のほか、古墳などを原寸大の模型で再現し、古代因幡の歴史を掘り下げる常設展示室などがそろう。
女性客らに人気が万葉衣装の試着体験。女性・男性用はもちろん、子供用まで多数の衣装が用意され、小道具などの装飾品や古代のアクセサリーも充実。自由に選んだあと、スタッフが丁寧に着せてくれるので安心だ。
衣装を着用しての館内めぐりのほか、屋外には回遊式庭園が広がる。万葉集に詠まれた約40種類の植物や国府町ゆかりの彫刻を見学しながらの散策も楽しめる。
なお、「令和」決定を受け、館内のエントランスホール(無料エリア)に、特設コーナーを設置。令和の引用部分やそれについての解説パネルのほか、来館者が付箋に新元号への思いを書いて貼るコーナーなどの展示を行っている。4月23日からは館内の民俗展示室で、「令和」特別展を開催。「令和」の引用となった梅の歌32首などを展示・解説する。
同館の入館料は300円。高校生以下・65歳以上は無料。20人以上の団体は240円。開館時間は午前9時から午後5時。休館日は月曜日(祝日の場合は翌日の平日)、祝日の翌日(平日の場合)、年末年始(12月29日―1月3日)。