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HISら、国内過去最大17トン「MSCベリッシマ」のチャータークルーズ販売へ 全長315㍍ 乗客定員は5600人

2019年5月16日
編集部:平綿 裕一

2019年5月16日(木) 配信

(左から)小林敦氏、中森達也氏、オリビエロ・モレリ氏、澤田秀太氏

 エイチ・アイ・エス(HIS)らは5月16日(木)、2020年ゴールデンウイーク(4月28日~5月6日)に国内過去最大17㌧級の客船「MSCベリッシマ」(イタリア)をチャーターし、日本発着クルーズを行うと発表した。国内クルーズ市場は拡大しており、HIS単体、グループともにクルーズ取り扱いが急増するなか、さらなる需要の取り込みをはかる。HISは20年に創業40周年を迎えるため、今回はその特別記念企画の一環でもある。

 MSCクルーズが保有する同船は19年3月に新造船されたばかり。全長は315㍍で、東京タワー(333㍍)と比べても見劣りしないほど。高さ65㍍で、総トン数は17万1598㌧、乗客定員は5686人と超大型客船だ。

 横浜港を出発し、石垣島、台湾・花蓮、宮古島、高知を巡り、同港に戻る9日間のコースとなる。価格は15万8千円からで最上級客室は98万円に設定した。13歳以下の子供は3~5人目を無料とする。同日から予約受付を始めている。

 船旅中の過ごし方は、シルク・ドゥ・ソレイユの特別ショーや、海上80㍍の高さから船を横断するヒマラヤンブリッジ、カジノ、スパ、ショッピングなど多彩。96㍍に及ぶ天井のLEDスクリーンによる映像ショーや、VR(仮想現実)コンテンツなど最新技術を駆使した体験も楽しめる。

MSCベリッシマの構造イメージ

 HISのクルーズ取り扱いは大きく伸びている。19年はHISグループで、前年から送客人数が150%、売り上げが130%の着地を見込む。HIS単体でみても、人数は160%、売上は150%以上を見通している。

 さらに国内クルーズ市場は、17年に過去最高の31・5万人を記録。同社は旅行形態として「クルーズ」が、日本でも選択肢の一つになりつつあるとみる。

 一方で、訪日外国人旅行者は18年に3千万人を超えて過去最高を更新したが、座席供給量の不足に頭を抱えている。国土交通省では、羽田空港の発着枠増便など対策を進めている。

 同船は約5600人が乗船可能で、飛行機で換算すれば35から40機をチャーターした規模と同じ。GWの繁忙期にチャーターすることで、懸念される座席供給量不足の受け皿にする狙いもある。

 このほか、今回は海外からの販売も行う。今後は、桜シーズなどのピーク時にチャーターすることで、外国人旅行者の需要も掘り起こしていく。

 HISの専務執行役員兼HISJAPANプレジデントの中森達也氏は同日の会見で、「HISとしてクルーズ事業をより注視し、強化していきたい」と意気込んだ。MSCクルーズジャパンのオリビエロ・モレリ氏は「すぐに予約してほしい。すぐに売り切れてしまうはず」と笑顔で語った。

 なお、今回のチャータークルーズは、HISとグループ会社のクルーズプラネット(小林敦社長)、ベストワンドットコム(澤田秀太社長)の3社合同で実施する。ベストワンドットコムはクルーズ旅行に特化したOTA(オンライン旅行会社)。澤田社長は、HISの澤田秀雄会長兼社長の長男にあたる。

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