新生・土湯祝う復興祭 震災後8年で再生完了 福島・土湯温泉
2019年6月12日(水) 配信
震災後、旅館16軒のうち5施設が廃業に追い込まれた温泉街では、11年10月、29人の有志が集まり土湯温泉町復興再生協議会を設立。復興・再生に向け、空き旅館・ホテルの活用など、4項目を重点事項に掲げた。12年10月には、計画の実施主体としてまちづくり会社「元気アップつちゆ」が発足し、バイナリー発電や小水力発電、オニテナガエビの養殖などに取り組んでいる。廃業旅館への対応では、温泉街が市街化調整区域内で開発が認められないなか、地元で施設を買い取り福島市に寄付することで、道が開けた。
14年には再生協議会を発展的に解消し、福島市も参画するなか「土湯温泉町地区まちづくり協議会」を立ち上げた。同協議会は国の「都市再生整備計画事業」を活用。5年間で約21億円を投じ、廃業した旅館の跡地に公衆浴場「中之湯」や観光交流センター「湯愛(ゆめ)舞台」、まちおこしセンター「湯楽座(ゆらくざ)」などを整備した。あわせて街並み整備なども進められ、新生・土湯温泉が誕生した。
式典で式辞を述べた土湯温泉町地区まちづくり協議会の加藤勝一会長は「再生を大きく超えて、創生を成し遂げた」と力を込めた。来賓には根本匠厚生労働大臣、渡辺博道復興大臣らが駆けつけ祝辞を述べた。
福島市観光コンベンション協会の渡邉和裕会長は「今日を新たなスタートに、ソフト面のさらなる充実に力を入れる」という。