GW期間中4割旅行に 若い世代 旅行意欲高く
2019年6月12日(水) 配信
観光庁はこのほど、10連休となった2019年ゴールデンウイークの旅行動向調査を発表した。各年代で約4割がGW中に旅行し、平均旅行回数は1人当たり1・74回(日帰り含む)だった。例年に比べ、若い世代(20~30代)は旅行意欲が高かった。一方、シニア世代には旅行控えがあったほか、居住エリア外に旅行した人は減少。10連休の良し悪し両面が浮き彫りになった。
【平綿 裕一】
GW中に旅行した人の割合は30代が最も高く、40・7%だった。20代から70歳以上までの全世代で唯一、4割を超えた。最も旅行に出掛けなかった年代は70歳以上で27・6%。このほか、20代が36・4%、40代が38・3%、50代が37・7%、60代が29・4%だった。
旅行需要は各世代で特徴が分かれた。「例年に比べ旅行をしたいと思った」は20代が23・6%、30代が24・0%で、60代は12・3%だった。とくに70歳以上は3・9%で、著しく旅行需要が低い結果となった。
「例年に比べ、旅行をしたくないと思った」は20~30代が共に17%台で、60代が18・5%、70歳以上が23・0%。若い世代とシニア世代で、10連休に対する考え方の違いが鮮明となった。
旅行に出掛けなかった理由は、全世代を通して「混雑すると思ったから(45・4%)」が最多となった。2位は「経済的余裕がなかったから(25・5%)」で、3位は「時間的余裕がなかったから(22・6%)」。2、3位の理由を挙げたのは、20代が最も多かった。
他方、昨年のGWに比べて遠出をする旅行者が減少した。居住エリア外に旅行した人の割合は50%ほどで、昨年の約65%を下回った。北海道は昨年に33・3%が居住エリア外に旅行したが、今年は9・1%に留まった。中国エリアでは昨年に75・0%だったが、今年は46・8%まで下がった。
移動手段をみても「自家用車・バイク(68・9%)」が大半を占め、「鉄道(29・7%)」は3割を切った。長距離移動を避けて近場の旅行先を選ぶ傾向が強かった。
予約方法は、全世代で国内OTA(オンライン旅行会社)の利用率が16・0%で最多だった。旅行会社の店舗・電話窓口を通じて予約した割合は4・7%と低かった。20代は、海外OTA利用率が4・4%で全世代中最多だった。宿泊施設・交通機関からの直接予約は、全体で8・3%。旅行会社を通した予約(4・7%)の約1・8倍だった。
このほか、旅行形態をみると「家族旅行(52%)」が半数以上を占めた。宿泊先については「実家・親戚・友人の家(45%)」が最多で、次いで「ホテル(37%)」だった。「旅館」は7%と低かった。
なお、調査は19年5月10~13日間で、国内在住の男女個人(20歳以上)を対象にウェブアンケート方式で行った。サンプル数は2007。