“今年中に海旅2千万人へ” 1年前倒しで目標達成を
2019年6月12日(水) 配信
日本旅行業協会(JATA)が事務局を務めるアウトバウンド促進協議会(JOTC、菊間潤吾会長)は5月31日(金)に、東京都内で2019年度の第1回全体会議を開いた。菊間会長は、20年に日本人渡航者数2千万人の数値目標について、「今年中に目指したい」と1年前倒しでの達成に意欲をみせた。
菊間会長は、18年の日本人渡航者数は前年比6%増の1895万人と過去最高を達成したことを報告。今年に入ってからも1―4月は10・1%増と伸長していることから、「昨年同様6%伸びれば2千万人に達する。今後、3・4%の伸びで可能なため、難しい数字ではない」と述べた。今年は、長距離路線を中心に新規就航や増便などが相次ぎ、環境は良好だ。
一方、パッケージ旅行の取扱人数は減少傾向にあるが、参加者1人当たりの旅行代金は前年度比7・6%増の約22万円と増えている。「富裕層ほどパッケージを使う傾向が顕著になっている。この現状を踏まえ、旅行会社の知恵を絞って付加価値の高い旅行商品の造成に尽力してほしい」と呼び掛けた。
来賓の観光庁の田端浩長官は「地方空港を中心に航空座席が増えている。海外の航空会社は地方空港への直行便就航に意欲があるので、後押ししていきたい」と述べた。また、航空路線の維持についてはインとアウトの両面で成り立つことを強調。「海外に慣れていない人ほど旅行会社の出番だ。インバウンド誘致だけではなく、直行便で海外へ行ってみようという意欲が高まる取り組みをお願いしたい」と結んだ。
会議では、地域ごとに設けている6部会の代表が昨年度の取り組みと今年度の活動計画を発表した。このなかで欧州部会は、18年は378万人と見込む旅行者数を、19年は392万2千人に拡大する目標を設定した。これまで、「美しい村30選」などを定め商品化してきたが、新たに「美味しいヨーロッパ100選」を選出する。7月に発表予定で、商品化は19年下期か20年上期を想定している。
アジア部会は19年の数値目標を前年比5%増の750万人に掲げた。「アジアの祭り」を共通テーマに、会員全社で集中して商品造成を行うことで市場への訴求拡大をはかる。