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中国大手旅行サイト馬蜂窩、日本市場での動き強める 訪日中国人の動向も発表

2019年7月26日
編集部:平綿 裕一

2019年7月26日(金) 配信

イベントのようす。左から3番目が于卓氏、4番目が譚玉峰氏

 中国大手旅行サイトの馬蜂窩(マーフェンウォー)は7月26日(金)にイベントを開き、日本での戦略や訪日中国人旅行者の動向などを発表した。日本市場に対しては、代理店を通じた戦略を強めていく考え。動向では、訪日中国人が日本の情報を収集して出発するまでのサイクルや、2020年の東京五輪時には前年同期よりも需要が11倍ほど増えるといった推計も紹介した。

 馬蜂窩は2010年創業。旅の情報収集の場であり、ホテルや観光地、移動手段の予約も可能で、旅が終われば旅行体験を共有するSNSの機能も有する。口コミは毎月1000万件規模、アクティブユーザーは1億人を超え、毎日3TB分のデータ量が生まれている。2018年の訪日中国人数は訪日客総数の4分の1以上を占める838万人だったが、うち約390万人が馬蜂窩のユーザーだったという。

 馬蜂窩の高級副総裁、于卓氏はあいさつで「中国人の訪日旅行には広さと深さが出てきた。すでに訪日旅行は単なる観光ではなく、ライフスタイルの一部になっている」と述べた。さらに「日本の旅行・観光業界とも連携して、より質の高い旅を提供していきたい」と日本市場への参入に意気込みを見せ、協力体制も強固にしていくと語った。

 イベントのなかでは、馬蜂窩の公式日本総合代理店のインタセクト・コミュニケーションズ(譚玉峰代表)と調印式を行った。日本の各企業は代理店を通し、馬蜂窩に広告出稿などができるようになる仕組み。譚玉峰代表は「日本市場を盛り上げていきたい」と力を込めた。

訪日中国人旅行者の動向

情報収集から出発までのサイクル

 発表された資料によると、訪日中国人は日本を調べ始めてから注文までは14日間かけていた。注文から出発するまでの日数は25日間。同サイトを訪れてから実際に出発するまでは計39日間を要し、じっくりと時間を掛けて日本を選び、旅程を組んでいることが分かった。本土の都市別でみると、上海と北京からの訪日中国人が圧倒的に多かった。

上海と北京が他都市を圧倒

 観光コンテンツの需給バランス(目的地として検索する人数と観光コンテンツ数)を地域分布でみると、東京と大阪、京都は平均値以上あったが、富士宮市と鎌倉などは需要よりも観光コンテツが少ないことが分かった。軽井沢や富良野、小樽、熱海などは、検索人数とコンテンツ数のいずれも平均値を下割った。

 このほか、東京五輪時に需要が増えることを踏まえ、事前に大会スケジュールやチケット料金、宿泊先などの情報発信が必要だとした。于卓氏は東京五輪について「大きなチャンスと捉えるとともに、しっかりと橋渡しをしていきたい」と意欲をみせた。

 

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