JTB、群馬県明和町で高齢者対象の「定額制タクシー」実証実験を開始
2019年7月29日(月) 配信
JTB(髙橋広行社長)と群馬県の明和町社会福祉協議会(立木留吉会長)は2019年8月1日(木)から、関東で初めて高齢者向け定額タクシーサービスの実証実験を始める。明和町在住の70歳以上を対象に、1カ月のうち7日間が乗り放題となる。料金は月9600円から利用可能で、試験期間は20年2月29日(土)まで。
利用者は、事前に利用頻度の高い商店街やかかりつけの病院など2カ所を登録。指定した目的地エリアの組み合わせによって料金が決まり、所定の手続きや支払いが完了すると1カ月間有効の利用券が発行される。乗車時は20分前までにコールセンターに連絡を入れるだけと簡単で、一緒に出かけたい家族や友人など3人までが追加料金なしで同乗できる。
近年、高齢者による自動車運転事故が取り上げられ、免許証の自主返納を促す動きがある一方で、移動支援の具体的な対策が進んでいない。群馬県のデータによると、同県の人口1人あたりの自動車保有台数は全国1位で、明和町も自動車が主な移動手段となっている。このような背景から、両者が協力して「明和町版ジェロンタクシー」を試験的に導入した。
「JTBジェロンタクシー®」は、JTBガイアレックが企画・実施する募集型企画旅行商品として2015年から福岡・北九州や長野県諏訪市で実証実験を進めてきた。同社では高齢者が定額タクシーを利用することで外出するきっかけとなり、地域での定着や近隣への拡大を目指している。
※“ジェロン”とは、人間が加齢によって生じる問題を総合的に研究する学問「ジェロントロジー」を基に名づけられた。