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【特集No.530】宿研・小泉敦社長に聞く 「日本中の宿屋を元気にする」

2019年8月1日
編集部:増田 剛

2019年8月1日(木) 配信

 宿泊予約経営研究所(宿研、神奈川県横浜市)は今年6月14日、小泉敦氏が取締役社長に就任した。人手不足など課題を抱える宿泊施設に、同社の経営理念「日本中の宿屋を元気にする!」を基本に、AI(人工知能)を取り入れたWeb集客の支援や、新たな提案、ノウハウの伝達を行っていく。その“実験場”として、宿研の子会社「良地良宿」が運営する「渓谷に佇む隠れ宿 峡泉」(長野県飯田市)は第2期大規模改修を終え、今年4月27日にリニューアルオープンした。小泉新社長に宿研の進むべき方向性などを聞いた。
【増田 剛】

 ――宿研の社長に就任するまでの経歴を教えてください。

 大学では材料工学を専攻していましたが、もともと自分でビジネスを立ち上げたり、ビジネスの仕組みを開発することに関心があり、就職は事業系を考えていました。

 1994年に保険会社に就職し、13年間在籍しました。インターネットが普及し始めた時期で、システム系のプロジェクトマネージャーとして、経営企画やマーケティング部門などと連携し、代理店の業務をサポートするシステムの開発や、ゴルフ保険など小型の商品をネット販売する仕組みを作ったりしていました。

 その後、ご縁があった楽天に07年から6年在籍しました。その間、ネットで保険を売る仕組みづくりや、楽天生命の買収の段階から関わりました。自分もWebマーケティングの知識を習得しながら、社内外からITに強い人材を集めて組織を作り、大変でしたが一番面白い時期でもありました。

 一つのビジネスを創り上げていく経験を積ませていただき、「その経験を生かし、他の分野でも試してみたい」という思いが強くなるなかで、宿泊予約経営研究所の末吉秀典社長(当時)と出会いました。14年1月に新規開発事業の責任者として、執行役員待遇で入社し、16年6月に取締役に就任しました。宿研本体の実務を見ながら、「峡泉」を買収する際には、関係者の調整など実務的な部分を担当していました。

 ――宿泊施設に対して今後柱になる事業は。

 宿研が創業した04年はOTA(オンライン旅行会社)が生まれたばかりの時期で、「Webを通じた集客の最大化」に向けたコンサルティングを中心に展開してきました。

 15年経ってマーケットを眺めてみると、OTAだけでなく、メタサーチのようなまとめ系サイトなども続々生まれてきました。

 さらに、SNS(交流サイト)からLINEのようなコミュニケーションツールが一つのメディアのようになってきました。

 今後はAI(人工知能)がユーザーの志向を判断してレコメンド(推薦)する精度も上がってきます。ユーザーが探さなくてもAIが薦めてくる宿の中から選べば、自分にぴったり合った宿に出会えるようになります。

 そうすると、宿側がは、OTAを使いこなすことや、グーグルのSEO対策だけではなく、「AIにどう選んでもらうか」を考えなければならなくなります。つまりAIにオプティマイズ(最適化)するために“AIO”といった概念が出てくるだろうと予想しています。

 宿がAIに対して「自分たちは○○が特長だから、こういうお客様に勧めてほしい」ということを画像や動画、音などで学習させて、伝えるということが必要になるでしょう。……

【全文は、本紙1763号または8月7日(水)以降日経テレコン21でお読みいただけます。】

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