KNT―CT、視覚障害者をマンツーマンでサポート 国立能楽堂の能鑑賞に案内
2019年8月23日(金) 配信
KNT―CT(米田昭正社長)はこのほど、国立能楽堂で初となるバリアフリー対応の能公演「エッセンス能」に視覚障害者24人を案内した。ユニバーサルツーリズムに対応できるスタッフの育成を目的とした研修プランで、同社社員がマンツーマンで同行し、サポートを行った。
当日、参加者は集合場所から国立能楽堂までの約400㍍の距離を社員の手引きにより、徒歩で移動した。到着後は同社限定の特別プログラムで、普段は上がることができない能舞台(練習用)に足袋と手袋を着用して登壇。舞台構造を体感した。能楽師による説明のほか能面や太鼓などに触れる時間も設けられた。
午後からは「エッセンス能」を鑑賞。同公演は東京2020応援プログラムのひとつ、文化オリンピアードの一環で開催され、「能楽がもっと身近になる」をテーマに行われた。国立能楽堂で初めての試みとなるバリアフリー対応で、視覚障害者向けには副音声や点字パンフレットなどのサポートが充実し、ほとんどの参加者が初めての能鑑賞を楽しんだ。
同社ではユニバーサルツーリズムをグループ全体で推進し、20年以上の実績をもつ。「旅をあきらめない、夢をあきらめない」をコンセプトに、「ツアー事業」「社員やサポートスタッフの育成」「障がい者受け入れ側への研修」の3つの柱を軸にした取り組みを行っている。なお、今回同行した新入社員27人は、座学などの事前研修を経て実地研修を行った。
□能公演手引き研修の概要(実施日:7月31日)
集合場所:JR千駄ヶ谷駅改札
時間:午前10時30分~午後4時30分
行程:
午前10時30分集合
国立能楽堂まで、社員によるマンツーマンの手引きで案内 (約400㍍、徒歩10分程)
午前10時45分~ 同社限定・特別プログラム
国立能楽堂2階の能舞台(練習用)に案内。
能楽師による説明付きで、足袋・手袋を着用し能舞台にあがって体感した。
※能舞台に上がること・触れることは、通常はできない
その他、能面や笛、小鼓、大鼓、太鼓などの能舞台で使用される楽器などを触るタッチツアーもあった。
午後12時30分~ 昼食(国立能楽堂1階のレストラン)
午後2時~午後4時 「エッセンス能」公演
「能楽がもっと身近になる」をテーマに、視覚障がい者向け副音声や点字パンフレット、能舞台の触図など様々なサポート体制の整ったバリアフリー対応の能
視覚障害者だけでなく、すべての人が能楽を楽しめる内容
演目: 狂言「蝸牛(かぎゅう)」 能「舎利(しゃり)」
解説:「蝸牛」… 野村万蔵 「舎利」… 友枝雄人
参加費:入場料3500円、昼食代1500円(1人)*当日障害者手帳を持参すると、500円の返金有
参加者数:24人(盲導犬8頭)
研修社員数:27人
□事前研修の概要(実施日:7月23日)
場所:千代田区神田和泉町1-13 住友商事神田和泉町ビル11階 第1・2会議室
時間:午後2時~午後5時
講師:KNT-CTホールディングス 地域交流部 課長 渕山知弘
研修社員数:27人
研修内容:
① 今回の研修の意義
② ユニバーサルツーリズムとはどのような考え方か?
③ 国内外の視覚障がい者ツアーの事例 (例: ロンドンパラリンピック観戦ツアー他)
④ アイマスクを使用した擬似体験と実地研修でのサポートについて