台湾と日本は“特別な関係” 旅行新聞新社が台湾交通部観光局国際組の黄勢芳組長、徐銀樹氏と意見交換
2019年9月2日(月) 配信
旅行新聞新社は8月7日(水)に台北市内のホテルで、日本と台湾の観光交流拡大へ、台湾交通部観光局国際組の黄勢芳(ハン・シーファン)組長と、中華民国ホテル旅館・旅行業国際推進協会の徐銀樹(ジョ・ギンジュ)理事長と意見交換を行った。(本紙編集長・増田 剛)
黄組長は、「台湾と日本は歴史的にも特別な関係。台湾では日本統治時代の歴史的な建築物などを保存して、後世まで残すべきとの動きが強まっている」と話した。政府も予算をつけて修復が各地で進んでおり、「観光局としてはクチコミなどを含め、積極的にアピールしていく」と述べた。
2019年の訪台日本人旅行者数の目標は210万人に設定しているが、「今年は好調に推移し、250万人を何とか達成したい」と意気込んだ。「双方の交流人口の格差をなくし、訪日台湾人旅行者数(18年は476万人)と同規模まで拡大していきたい。そのためには、日本人が台湾に訪れやすいような割引キャンペーンなども考えたい」とした。
また、日本のおもてなしについて黄組長は「日本滞在中のホテルで雨の中外出したとき、ホテルのスタッフが傘を持って後から追いかけて来てくれ、とても感動した」と振り返り、「日本のサービス業には学ぶべきものが多い」と語った。
7月27―28日に、東京・代々木公園で開いた第4回「台湾フェスタ2019」に、徐理事長をはじめ、台湾のホテル代表者らがブース出展し台湾の魅力をアピールした。翌29日には東京都旅行業協会(村山吉三郎会長、670会員)を訪れ、村山会長ら各地区会のトップらと日台の観光交流推進に向け意見交換を行った=既報。
徐理事長は「台湾には美味しい料理やフルーツが豊富。Wi―Fiの環境も整っている。台北だけでなく、北投温泉や新竹、台中、台南、離島まで魅力が詰まっている」と語り、「年内にも東京都旅行業協会の会員に台湾を訪れてもらい、台湾湾の魅力を伝えていきたい」と力を込めた。徐理事長は台北市中心部に京都商務旅館や東京国際ホテルを経営。日本語を話せるスタッフをそろえ、おもてなしも高い評価を得ており、「日本人のリピーターは67%を占める」という。
□日本統治時代の面影残る「新竹市」
台北市から新幹線で約30分南下すると、新竹市がある。新竹駅は日本統治時代の1913年に建築され、台湾に現存する最古の駅舎。日本人建築家の松崎万長が設計した作品で、重要文化財にも認定されている。近年は、半導体など最新テクノロジーの集積地として、日本人ビジネスマンの姿を多く見掛ける。
新竹市の中心部に位置する芙洛麗大飯店(フリューリスホテル)は開業から6年を迎え、日本人のリピーターが30%を占める人気ホテル。社長の張正忠(チョウ・セイチュウ)氏は、東旅協との観光交流会にも出席しており、新竹の魅力をアピールし、日本からの誘客にも強い意欲を示した。
同ホテルは5タイプ全72室で、シンプルながら上質な空間を醸し出している。建築設計の仕事をしていた張社長のデザインへのこだわりが随所に見られるホテルだ。