「味のある街」「しらすのペペロンチーノ」――サザンビーチカフェ店(神奈川県茅ヶ崎市)
2019年10月7日(月) 配信
先日、遅めの夏休みをとって海沿いの街で家族と過ごした。海といえば、桑田(サザンオールスターズのボーカル桑田佳祐のこと)さん好きの私にとっては、茅ヶ崎なのである。
茅ヶ崎の海水浴場の開設は1898年と古い。明治から昭和中頃にかけての茅ヶ崎周辺は、著名人の別荘や企業の保養所が数多く存在し、彼らの海の遊び場として海水浴場が設けられたと記されている。
平成に入り海水浴客の減少に苦悩していた茅ヶ崎市観光協会が1999年に、地元茅ヶ崎市出身の桑田佳祐が率いるサザンオールスターズの名にあやかり、茅ヶ崎海水浴場から「サザンビーチちがさき」に改名すると海水浴客が増え始めた。2000年8月に開催された「茅ヶ崎ライブ ~あなただけの茅ヶ崎~」では、サザンビーチちがさきに特設観覧席が設けられライブの模様を実況中継するスペシャルイベントを開いた。これをきっかけに、一躍サザンビーチちがさきの名前を全国に広めることになり、未だに海水浴客が増え続けているという。
そんなサンビーチちがさきに欠かせないのが、サザンビーチカフェだ。テラス席はペット同伴OKなので愛犬家にも優しい。最大の魅力であるロケーションは目の前は砂浜。その向こうには寄せては返す白い波が……。手の届きそうな位置には「勝手にシンドバッド」で有名な烏帽子岩が、遠くには江の島が、それぞれ見える。
テラス席のソファに腰かけ、おすすめの「しらすのペペロンチーノ」とジンジャエールを注文する。この辺りの漁港にあがったのであろう、ふっくりとしたしらすたっぷりのパスタが木のテーブルにのせられた。しらすをガーリックの効いた麺によくまぜ、海を眺めながらいただいた。潮風漂うオープンテラスにぴったりの一品だ。
ランチを済ませマルチーズのコーラ(飼っている犬の名前)と波打ち際で水遊びをしたあと、サザンビーチ駐車場に向かおうとしたとき大きく色彩やかな虹が見えた。サプライズもあり、身も心もハッピー気分で、次の目的地・佐島マリーナに向かった。
(トラベルキャスター)
コラムニスト紹介
津田 令子 氏
社団法人日本観光協会旅番組室長を経てフリーの旅行ジャーナリストに。全国約3000カ所を旅する経験から、旅の楽しさを伝えるトラベルキャスターとしてテレビ・ラジオなどに出演する。観光大使や市町村などのアドバイザー、カルチャースクールの講師も務める。NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長。著書多数。