オールブラックスのラグビーチームを巡る 「ホビットの里」など周辺観光も ニュージーランド政府観光局
2019年10月9日(水) 配信
ニュージーランド政府観光局はこのほど、「ラグビーワールドカップ2019日本大会」でも強さを見せるニュージーランド代表“オールブラックス”の選手を輩出したラグビーチームを巡るニュージーランドの観光情報を発表した。
オールブラックスの「ハカ」をリードするTJ・ペレナラ選手の所属チーム「ハリケーンズ」など計5チームの地域や、「ホビットの里」などその周辺観光地を紹介している。
□ハイランダーズ (ダニーデン)
ダニーデンを拠点にするスーパーラグビーのチーム。日本との関わりが強いチームだ。
2013~16年に、日本代表の田中史朗(たなかふみあき)選手が所属し、人懐っこいユーモアあふれるキャラクターと小柄でスピーディーな試合での動きから、地元の人たちの間で「フミ」というあだ名で愛されていた。
15年には、悲願の初優勝を果たしたほか、ラグビー日本代表のヘッドコーチのジェイミー・ジョセフ監督が、16年まで同チームのヘッドコーチに就任していた。
オールブラックスメンバーのアーロン・スミス、ベン・スミスが所属する。
【ダニーデンとラグビー】
市内中心にオタゴ大学を構えるダニーデンでは、ラグビーの試合がある日は学生たちを中心に「大いに盛り上がる」(同)という。なお、ダニーデンのフォーサイス・バー・スタジアムはニュージーランドの中で唯一の全天候型スタジアムとなっている。
【ダニーデンの観光情報】
スコットランドの趣きを残すダニーデンは、オークランドから飛行機で約1時間50分ほど南下した場所にある。
市内にはダニーデン駅やオタゴ大学、オクタゴン、ファースト教会など 歴史的建造物が立ち並ぶ。
市内から車で約30分圏内のオタゴ半島は野生動物の宝庫。絶滅危惧種のイエロー・アイド・ペンギンや、ロイヤル・アルバトロスをはじめ、NZアシカやオットセイの生息地がある。
さらに市内は学生の街としても知られ、美術館や博物館、ライブハウスのほか、 オシャレなカフェやレストラン、ブティックが点在する。とくに歴史的建造物を改装した場所は、どこも人気を博しているという。
「市内の各所は芸術的なストリートアートが施されています。 古いものをうまく残し、新しく活かす、ダニーデンの街はいつ訪れても新しい発見にあふれています」(同)。
写真提供:
□クルセイダー ス (クライストチャーチ)
クライストチャーチを拠点にするスーパーラグビーのチーム。1996年から現在までリーグ優勝を9回達成(リーグ最多)し、“常勝軍団”の異名で知られている。
同チーム出身の有名選手は、キャプテンとしてオールブラックスを2011~15年の2回優勝に導いたリッチー・マコウや、名キッカーのダン・カーターなどが挙げられる。
現在のオールブラックスのキャプテン、キアラン・リードなど、オールブラックスのキャプテンも同チーム出身者が多いことが特徴。
【クライストチャーチとラグビー】
地元の人々にとっても憩いの場であるハグレーパークでは、週末になると子供から大人まで、公園内のさまざまな場所でラグビーが行われているという。
「地元スタジアムで行われるクルセイダースの試合では、試合前に馬に乗った騎士団が会場内を駆け巡るのも見どころ」(同)。
【クライストチャーチ観光情報】
南島最大の都市であり、“ガーデンシティ”の愛称で知られ、芸術や文化の発信地のクライストチャーチ。
カンタベリー博物館やアートセンターなどネオゴシック調の建物のほか、エイボン川沿いの開放的なカフェやレストランなど、 古き良きものと新しいものが共存している。
また、さまざまな分野で“イノベーション”に力を入れ、モダンでクリエイティブな街として世界中から注目を集めているという。
写真提供:
□ハリケーンズ ( ウエリントン )
首都ウエリントンを拠点にするスーパーラグビーのチームで「ケーンズ」の愛称で親しまれている。
ベスト4進出の常連チームで、リーグ戦では粘り強さを見せるチームだ。 16年には悲願のリーグ初優勝を飾った。
同チーム出身の有名選手はジョーディ・バレット選手や、アーディ・サヴェア選手のほか、同大会でオールブラックスが試合の前に行うハカをリードしているTJ・ペレナラ選手も、同チームに所属している。
【ウエリントンとラグビー】
ウエリントンは、ウエストパックスタジアムをはじめ、さまざまなラグビーファンにとっての“聖地”がある。
例えば、ハーバーサイド沿いにあるラグビーのオブジェ「ラグビー・ワールド・カップ・セレブレーション」は、リチャード・テイラー卿とウェタワークショップによって造られたものだという。
ハリケーンズと地元チームのウエリントン・ライオンズのオフィシャル・バー&レストランの「ザ・グリーン・マン」は、試合の日は大勢のファンが盛り上がる場所だ。
【ウエリントンの観光】
徒歩でほぼ移動可能といったコンパクトな街のウエリントン。 ハーバーサイドではサイクリングやランニング、散歩などを楽しめる。
街の中心には、国立博物館の「テ・パパ」やウエリントン市立美術館をはじめ、 多くのワールドプレミアが行われているエンバシーシアターなどがある。
先住民マオリの文化や西洋の演劇や音楽、 さらにはコンテンポラリーな芸術作品やミュージシャンによる音楽ライブに至るまで、多様な芸術・文化活動を体験することができる。
このほか、カフェの街と知られるウエリントンは、どのコーナーにもカフェがあり、エスプレッソとミルクがベースのニュージーランド発祥のコーヒー、「フラットホワイト」が一番人気となっているという。
写真提供:
□チーフス (ハミルトン<ワイカト地方>)
ハミルトンを拠点にするスーパーラグビーのチーム。 12年には悲願のシリーズ初優勝を飾り、さらに翌13年に2連覇を達成。
その後も優勝争いに食い込むなど、国内外から注目されている。日本代表のキャプテンとして活躍しているリーチ・マイケル選手が期限付き移籍していたチームでもある。
【ワイカトとラグビー】
「ワイカトにはさらに深くラグビーを知り、触れることができる場所がたくさんあります」(同)。
元オールブラックスの選手で福岡でもプレーしたことのあるアラン・ペーン氏がオーナーの「スペイツ・エール・ハウス」は、 ラグビー観戦にはぴったりな地元でも人気のスポーツバー。
地元のラグビーチームの記念品を展示しているバー&レストランでは、テ・アワムツにある「ザ・リダウト」がある。
なお、テ・アワマツ博物館には、ラグビー関連の展示が今後登場する予定。ワイカト博物館には、1950年代の地元チームの記念品などが展示されている。
【ワイカト地方の観光】
なだらかな丘陵地と広々とした牧草地の広がり、肥沃な土壌に恵まれたワイカト地方。その地中には、大規模な鍾乳洞が広がっている。
北島の中心を穏やかに流れるワイカト川の流域一帯は、牧畜が盛んなだけではなく、125年以上も前から国際的な観光地として知られている。
地中で輝く土ホタルが見られる「ワイトモ洞窟」は昔からの名所だが、近年では『ロード・オブ・ザ・リング』と『ホビット』の3部作シリーズを機に、ホビットの里としても有名。
写真提供:
□ブルース (オークランド)
オークランドを拠点にするスーパーラグビーのチーム。1990年代のシリーズ・スタート時はクルセイダースと並び、 優勝候補の筆頭として華々しい業績を残し、 多くのスター選手を輩出した。
現オールブラックスのボーデン・バレット選手や、サニー・ビル・ウィリアム選手やリコ・イオアネ選手が所属する。
【オークランドとラグビー】
オークランド市内から車や列車、バスで20分のマウント・イーデンにあるイーデンパーク。
ラグビーやクリケットが中心に行われる、国内最大の5万席を誇る一大スタジアムとなっている。
11年にニュージーランドで開催された世界最大のラグビートーナメントの直前に改築され、フォーサイス・バー・スタジアム(ダニーデン)とともに、国内で最も新しい大型スタジアムのひとつ。
「実は、ここは、 1987年に開催された世界最大のラグビートーナメントの第1回大会の決勝で使用され、オールブラックスが見事、チャンピオンに輝いた場所」(同)という。
さらに、2011年も同様にオールブラックスが優勝杯を掲げた場所であり、ラグビーの聖地として、世界中のファンが訪れることでも有名だ。
【オークランドの観光】
ニュージーランド最大の都市であるオークランドは、 美しい海に囲まれながら、 洗練された都会的な街の雰囲気が魅力的な多文化都市。
“暮らしやすい街”として世界のトップ3に入ったことのあるオークランドには、 ニュージーランドの総人口に当たる約3分の1の人々が暮らしている。
世界最大のポリネシア系人口を誇る都市でもあり、食べ物や音楽、 芸術文化など、あらゆる面で多彩な文化を取り入れているのも特徴となっている。
2つの入り江に挟まれた地峡部に位置するオークランドでは、 海は人々にとって身近な存在。亜熱帯性の穏やかな気候にも恵まれているため、多種多彩なアクティビティなどを楽しめる。
おしゃれなブティックやカフェの集まる市内中心部から、わずか30分ほど離れるだけで、原生林の中をトレッキングしたり、野趣あふれる西海岸にある黒砂のビーチを散歩したりすることもできる。
写真提供: