JKK、ホテル松本楼で「第2回定例会議」開催 全国から女将ら32人が参加
2019年10月15日(火)配信
全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会の女性経営者の会(JKK、会長=田中美岐・日昇別荘女将、85会員)は10月9、10日の2日間、群馬県・伊香保温泉のホテル松本楼で「第2回定例会議」を開いた。全国から女将ら32人が参加し、勉強会などを通して見識を深めた。
勉強会では3人の講師が講演を行った。最初に登壇したホテル松本楼の社長の松本光男氏が「宿は人なり~旅館甲子園に出場させて頂いて~」をテーマに語った。
半年で従業員30人が退職する状況から、旅館甲子園出場ごとに結束力が強まっていった経緯を説明。1人3役をこなす社内改革の失敗をきっかけに、人材育成や従業員の満足度に重きを置く〝社員を幸せにする経営〟にシフトした。
松本氏は「旅館は人、というのがよく分かった。ぎすぎすした職場だったが、旅館甲子園に出場して会社全体がまとまった」と振り返った。そのうえで、自らの役割を「次世代を担う経営者や幹部を数多く輩出することが、私たち経営者の仕事」と結んだ。
現場の声として、旅館甲子園のプロジェクトメンバーを務めた深澤貴那緒氏も登壇し、「旅館甲子園で優勝することはできなかったが、ホテル松本楼は優勝以上に価値があるものを手に入れたと思う」と力を込めた。深澤さんは現在、接待係主任を務めるが、一度、同ホテルを退職し、5年前に復職した経歴を持つ。
2人目の講師は、ホテル松本楼が旅館甲子園に出場する前からコンサルタントを担当するオリジン・コーポレーション代表の杉井保之氏が「会社を良くする秘訣~採用と教育~」について講演した。
「社員さんが自分の人生のためにがんばって働くよう、教育しないとだめ。優しい社員になってもらうこと。優しくない人で、幸せな人を見たことがない」と指摘。経営側の視点では、「社長たちが変わらなければならない。商売とは人の気持ちを考えること」とメッセージを送った。
最後は、マンゴシードの技術営業部主任の平屋敷幸一氏が「AI(人工知能)によるこれからのお客様対応~チャットボットの利用~」について説明した。「今後、人工知能との協業が必要になってくる。チャットボットは1年で7〜8割の単純な質問に応えられるようになる。お客様の問い合わせに24時間対応できるので、宿泊業との親和性は非常に高い」と紹介した。
講演後、田中会長は「1回で10回分の価値がある勉強会にしたいと思い、開催した。今回の勉強会でたくさんのお土産を持ち帰り、それぞれの宿で生かしてもらえれば」と今後の成果に期待を込めた。