新IIT運賃導入に伴い説明会を実施 JATA・ANTA共催
2019年10月23日(水) 配信
日本旅行業協会(JATA)と全国旅行業協会(ANTA)は10月17日(木)、国内航空会社2社が来春から導入する可変型新運賃「個人包括旅行運賃」(新IIT運賃)の対応策について、会員らを対象に説明会を開いた。
新IIT運賃を利用する国内募集型企画旅行は、航空会社に即した取消料を収受するには新たな約款(国内募集型IIT約款)の認可申請が必要となるほか、募集広告は旅行代金を明示しない「告知広告」とする。
JATAの法務・コンプライアンス室の杉原賢二担当副室長は、「新IIT運賃は355日または330日前から予約ができ、発券も予約日プラス2日以内と短い。発券後にキャンセルをすると、かなり前から取消料が発生する。だが、現行の標準旅行業約款では旅行出発の20日前からしか取消料が取れない」と問題点を挙げた。
これに対し、新IIT運賃に対応した国内募集型IIT約款の個別認可を受けることで、出発20日前以前でも航空会社が定める取消料(取消手数料と払戻手数料などの合計額)が収受可能になる。出発20日前以降は、航空会社の取消料、または従来の標準旅行業約款にある取消料上限額のいずれか高い額の範囲内で取消料とすることができるとした。
募集広告については、航空運賃が変動するため、表示義務である「旅行代金」を記載することができない。よって、旅行代金の部分を“目安額”とした「告知広告」で消費者にアピールする。
目安額の最低額は「新IIT運賃の下限額+地上費の最も安価な価額および必要な経費」とし、最高額は「新IIT運賃の上限額+地上費の最も高価な価額および必要な経費」が基本となる。
お客から問い合わせの都度、航空運賃を照会して旅行代金を算出し、「取引条件説明書面(個別事項)」を交付する。同書面には、旅行代金の有効期限や、航空券取消料などの合計額、利用する運賃の種別などを記載することが必要になる。
取消料の表示について、文字ポイント数を大きくしたり、他の記載事項より太いフォントを使って目立たせるようにする、などの助言も行った。
申請手続きは、①旅行業約款変更認可申請書②認可を希望する旅行業約款➂現行の旅行業約款の対照表④宣誓書――が必要となる。申請書類各旅行業協会のホームページで確認できる。
なお、認可申請は航空会社が国土交通省に新IIT運賃の届出が完了し、登録行政庁(第1種は運輸局、第2種は都道府県庁)の準備が出来次第、受付開始となる。目安は11月1日ごろで、時期が決まり次第、所属の旅行業協会から通知が送られる。
今回、説明会が行われた東京会場は、東日本地区の会員ら約200人超が参加した。11月に同会場で2回目が行われるほか、大阪と沖縄でも開かれる。