イケバス、池袋を時速19㌔で運行 車窓から流れる街並み楽しむ ウィラー
2019年11月1日(金) 配信
東京・池袋の街を真っ赤な電気バスが時速約19㌔で走る――。バスの名称は「IKEBUS(イケバス)」。区民からの公募で決めた。ただの移動手段ではく、車窓からゆっくりと流れる池袋の街並みを楽しめる。運行を担うウィラー(村瀨茂高社長)は、街に点在する魅力あるスポットをつなぐ、新たな都市型交通として提供するカタチだ。11月下旬には、定期運行をスタートする見通し。
イケバスは電気バスなので、排気ガスはゼロと環境にも配慮し、非常時には電源としても機能する。1回の充電で約60㌔走る。定員は運転手含めて22人(うち座席17席)と一般的なバスよりも小ぢんまりとしている。
車両やバス停、制服などのトータルデザインは、数多くの鉄道車両などを手掛ける水戸岡鋭治氏によるもの。真っ赤な車両は、街のシンボルとしての役割を担う。
定期運行では曜日を問わず20分間隔で走らせ、「動く歩道」(同社)のように簡単に乗り降りできるという。池袋の街を回遊するための移動装置として、街中の移動をサポートしていく考え。
1回の料金は大人200円で、子供100円(高齢者・障害者も同額)となる。このほか3時間券(大人300円、子供100円)や、1日券(大人500円、子供100円)などの券も用意する。3時間5万円から、貸し切りでの運行にも対応する。
池袋駅の東口と西口を発着する2ルートを今回は設定した。うち東口からのルートは、中池袋公園と池袋西口公園、南池袋公園、造幣局地区防災公園(仮称)の4つの公園をつなぐ。
運行に先立ち、「イケバスの出発式」が11月1日、東京・中池袋公園で開かれた。高野之夫豊島区長は「イケバスで街が変わる」と運行の開始に期待を込めた。
村瀨氏は運行に対し「早いだけが移動の魅力ではない。のんびりした移動も楽しんでもらいたい。国内外のお客に乗ってもらい、交流する場にもなれば」と語った。
現在イケバスは7台あるが、来年3月ごろにはさらに3台追加される見通し。なお、7台うち一台の車体は、高野区長の思いから黄色一色となっている。