JTB、シャープと教育旅行で協業 ロボットを使った教育旅行プログラム「ロボ旅@教育旅行」売り出す
2019年11月7日(木) 配信
JTB(髙橋広行社長)とシャープ(戴正呉社長)は11月5日(火)、観光案内機能を搭載した小型ロボット「RoBoHoN(ロボホン)」を使った教育旅行プログラム「ロボ旅@教育旅行」を売り出した。2者が教育旅行分野で協業し、ICT(情報通信技術)を活用した体験型プログラムを提案する。ロボホンを活用した教育旅行プログラムは業界初となる。
修学旅行などで京都を訪れる学校を対象にした同プログラムは、旅マエ(事前学習)から旅ナカ(班別研修)、旅アト(事後学習)まで、一貫してICTを有効活用し、生徒の主体的な学びにつながるサポートを行う。
旅ナカの班別研修では、京都市内500カ所以上の観光地情報が登録されたロボホンを班ごとに1台ずつ貸し出す。登録スポットに近づくと位置情報(GPS)を自動で取得し、観光地での歴史や文化などを案内してくれる。
生徒はICTによる自動観光案内を間近に体感できるほか、搭載しているカメラでの写真撮影や電話としての機能も備える。
教職員には、安全管理機能として「指導管理システム」を提供する。生徒が持つ「ロボホン」の位置情報を待機場所などからタブレット端末で把握できるとともに、生徒へのメッセージを「ロボホン」に送り、発話させる機能も持つ。
同日の会見で、JTBの法人事業本部事業推進部の洪水敏孝旅行事業推進担当部長は、プログラムの開発に至った経緯について「学校の先生から『ICTを使った教育にどう対応したらいいのか』という質問を多くいただくようになった。ロボホンを使って、学校が抱える課題を解決できないだろうかと考えた」と説明した。
現在は旅ナカのみの貸し出しだが、今後は旅マエや旅アトでも検討している。事前学習としてロボットが動く仕組みを学んだり、旅行後に行動履歴や写真などを基にした成果発表など、事後学習に活用することも考えられる。
価格は1台6千円(税別)で、ロボホンの受け渡しは京都到着後に行っている。現在の対象エリアは京都のみだが、修学旅行の行き先として多い東京や沖縄など他地域にも順次広げていく。
文部科学省は2020年度から実施する新学習指導要領において、ICTを活用した学習活動の充実を提唱している。