日本国際観光学会が第23回全国大会開く 9つのテーマ別部会が「多様な観光」の研究進める
2019年11月12日(火) 配信
日本国際観光学会(島川崇会長)は10月19日(土)、東京都新宿区の桜美林大学新宿キャンパスで第23回全国大会を開いた。JTIC.SWISS代表の山田桂一郎氏による特別講演「選ばれ続ける地域とは~自立・持続可能な観光・リゾート経営」のほか、5つの分科会で約30の研究発表が行われた。
島川会長(=東洋大学国際観光学部国際観光学科教授)は冒頭、「学会は昨年末から、9つのテーマ別の研究部会が立ち上がり、活発な部会活動を始めている」と報告。「我われはもっと観光の多様な側面を研究していく必要性がある」強調し、「各部会が深堀した成果を例会で発表していくことを期待している」と述べた。
9つの部会は、①観光への知的財産権活用②宿泊関連③持続可能な戦跡観光④精神性の高い観光⑤福祉観光⑥おもてなし文化⑦航空マネジメント⑧オーバーツーリズム⑨観光交通――など。島川会長は「今後も新規の部会立ち上げも歓迎している」と呼び掛けた。
特別講演では、山田氏がスイス・ツェルマット観光局での経験をもとに、日本とスイスの観光に対する考え方の違いなどを語った。
山田氏は「スイスは、国旗自体がブランドとなっている」とし、「時計なども世界中が『良いもの』とイメージして買ってくれるし、多くの組織がスイスに本部を置きたがる。スイスの強さは『質重視』による信頼・信用を勝ち得ている部分」と説明した。
さらに、真の商人が大切にするのは①お客に良し②世間に良し③自らに良し――の三方良し。これに加え、「スイスは『将来、未来に対して良し』を最も大切にするのが特徴」と紹介した。