メセナ大賞に竹中工務店 歴史的建造物の保存公開と交流の創出が評価 「メセナアワード2019」贈呈式
2019年11月21日(木) 配信
企業メセナ協議会(尾﨑元規理事長)は11月20日(水)、芸術や文化の振興に貢献した企業、団体などを表彰する「メセナアワード2019」の贈呈式を行った。メセナ大賞には、歴史的建造物を通して社会貢献を行う「竹中工務店」が選ばれた。優秀賞は京阪ホールディングスなど5件が、文化庁長官賞はキャノンが受賞した。
竹中工務店は、昭和初期に建てられた木造モダニズム建築「聴竹居(ちょうちくきょ)」を保存し、公開することで建築文化を発信する活動を行っている。見学時のガイドは、地元の人たちで構成された「聴竹居倶楽部」が対応し、地域全体で保存・公開活動に取り組み、交流の創出や住民の地域に対する誇りを醸成していることが評価された。
贈呈式に登壇した竹中工務店の宮下正裕会長は「(京都府)大山崎町の地元の皆さまが中心となって行われてきた活動」と感謝した。そのうえで、今回の活動は「(竹中工務店が進める)CSRビジョンを体現する活動と考えている。今後も社会の皆さまと連携し、より一層のメセナ活動に取り組んでいきたい」と力を込めた。
今回で29回目を迎えた「メセナアワード」は、全国149件(87社・団体)の活動が選考の対象となった。審査委員長の原島博東京大学名誉教授は選考過程を振り返り、「文化は企業の外側にあるのではなく、企業の内側にあるのではないか。自然な形でメセナ活動が行われている。企業の文化が育っている」と感想を述べた。
企業メセナ協議会は、企業によるメセナ(芸術・文化振興による社会創造)の推進を目的に、1990年2月に発足。メセナの調査や研究、セミナー、助成認定などの事業を行っている。
受賞活動は以下の通り。
□「メセナアワード2019」受賞活動
【大賞】
「メセナ大賞」:竹中工務店
木造モダニズム建築「聴竹居」による社会貢献と建築文化発信
【優秀賞】
「アートやで中之島賞」:京阪ホールディングス
京阪電車中之島線なにわ橋駅「アートエリアB1(ビーワン)」における社学・地域連携文化活動
「文具を超える文具賞」:コクヨ
「コクヨデザインアワードプロダクト」プロジェクト
「耳を澄ませば心に響く賞」:日本ユニシス
川畠成道コンサートプログラム
「世界と島で踊りま賞」:パソナグループ
Awaji Art Circus 2018
「花とアートの森あわせ賞」:六花亭製菓
六花の森の企画・運営
【特別賞】
「文化庁長官賞」:キャノン
綴プロジェクト