旅館ホテル数4万9502軒に 沖縄建設ラッシュ 4割増 厚労省18年度衛生行政報告
2019年11月23日(土) 配信
厚生労働省がこのほど発表した「衛生行政報告」によると、2018年度末現在の「旅館・ホテル」軒数は4万9502軒だった。都道府県ベースではリゾート地として海外からも注目される沖縄県が、前年度比39・4%増と建設ラッシュが続く。簡易宿所は3万5452軒で、3001軒(同9・2%増)増えた。人気観光地での増加が全体を底上げした。【平綿 裕一】
なお、改正旅館業法が18年6月に施行され、旅館とホテルの営業種別が1つになった。今回からは「旅館・ホテル営業」として数がまとめられている。
全国の「旅館・ホテル営業」の施設数は、4万9502軒(同1・0%増)で、客室数が164万6065室(同3・1%増)となった。東日本エリアの都道県が、施設数と客室数のそれぞれで上位を占めている。簡宿は3万5452軒(同9・2%増)だった。
簡宿は増加傾向にあり、ここ3年で合計8千軒以上増えている。とくに今年度は3千軒以上伸びた。厚労省の衛生行政報告担当者は、「北海道や京都、沖縄などの人気観光地に簡易宿所が多い。これらが全体数の増加に貢献しているのではないか」とみる。
旅館・ホテルの施設数を都道府県ベースでみると、全国1位は静岡県(2928軒)。2位は北海道(2868軒)、3位は長野県(2669軒)となった。
伸び率は沖縄県が約4割増と、他の地域を圧倒して全国1位となった。沖縄県の調査では2002年から17年連続で、宿泊施設の軒数が過去最高を更新し続けている。
県の担当者によると、「好調な観光客数に伴い、那覇市を中心に宿泊施設は増えている。外資系の事業者などからも注目され、近年リゾートホテルの建設も多い」と話した。
客室数は、都道府県別で東京都が17万5273室(同3・6%増)で全国最多となった。次いで北海道の11万1049室(同1・9%増)、大阪府の9万9983室(同11・6%増)となった。
客室数の伸び率は、1位は京都府(同12・7%増)で、大阪府(同11・6%増)、愛知県(同10・3%増)の順だった。
簡易宿所の都道府県ベースでは、沖縄県が3859軒で1位。2位は長野県で3725軒、3位は京都府の3498軒と続く。
伸び率では、大阪府が同30・7%増で1位、岡山県が同28・5%増で2位。外国人旅行者にも人気な関西地域が上位に入っている。