トリップドットコム×電通、訪日中国人富裕層の取り込みで提携 上質な地方旅行を
2019年12月5日(水) 配信
トリップドットコム(孫潔CEO、中国・上海)と電通(山本敏博社長、東京都港区)は12月2日、訪日中国人富裕層の取り込み向け、業務提携を結んだ。これにより2020年春に、日本の地方部に的を絞った高級セレクトショップサイトを開設する。
トリップドットコムは世界4億人の会員を持つ中国大手のオンライン旅行会社(OTA)。会員の3億人ほどが中国本土からで、総収入の6割以上は中国から得ているという。
中国向けには「シートリップ」のブランドを展開し、中国国内における旅行商品の流通や販売の知見を有する。電通との提携により、日本の文化・歴史・料理・芸術などの“中国人がまだ知らない”観光資源の提供や、地方部への誘客を目指す。
第1弾として来春に、訪日中国人富裕層に向けた地方旅行体験サービスを取り扱うサイトを、シートリップ内に共同で立ち上げる。
①都市部ではなく“地方”②唯一無二の独自性、“発見”があるもの③目利き、通こそが知る“特別感”があるもの――をコンセプトに、「中国人にとってのいわゆる日本旅行の定義を、新しいものへ変化させる」(同社)という。
トリップドットコムの孫波(ソン・ハ)CMOは、「中国人観光客の旅行トレンドは購入型から体験型に移行している。中国人は日本の地域のさまざまな場所を旅して、探求し、文化生活に触れる体験を求めている」と、地方を軸とした今回のサービス開始における背景を説明した。
そのうえで、「我われは中国市場シェアで50%以上を誇り、昨年の訪日中国人800万人のうち、約半分以上がシートリップを通じて予約している。日本は我われのビジネスにおいてもっとも大事な拠点のひとつだ」と語った。
□サービス概要
コンセプト:日本のその地方でしか出会えない体験・モノを厳選した地方旅の高級セレクトショップ
活用:地方自治体と連携し、訪日中国人富裕層のインサイトに適合した旅行商品の開発、販売及び各地域への送客。企業の中国人向けインバウンド課題に対応したプロモーションの実施(サンプリング、特別協賛ツアーなど)
サービス提供開始日:2020年春予定