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【シ―クルーズ瀬﨑公介社長に聞く】観光業の多角化に挑戦 イルカウォッチングから川下り

2019年12月19日
九州支局:有島 誠

2019年12月19日(木)配信

瀬﨑公介社長

 熊本県上天草市の船会社・シークルーズ(瀬﨑公介社長)は、市が10月12日に開業した観光情報発信拠点「ミオ・カミーノ天草」の運営を、九州産交ツーリズム(熊本市)と共同で業務受託した。同社は、天草のイルカウォッチングやスイーツクルーズ、マリーナ業、ボート免許業、三角―松島定期航路「天草宝島ライン」運航、旅行業など幅広い事業を展開。今年1月からは、経営悪化していた人吉市の観光船「球磨川くだり」の業務を任され、瀬﨑氏がトップになり経営強化に乗り出している。さらに7月には同市内の空き家を改装した滞在型宿泊施設「シークルーズハウス・ナビオ」もオープンした。観光業を多角的に進める瀬﨑氏に話を聞いた。

【九州支局・有島 誠】

 ――観光業への参入は。

 1993年から始めたイルカウォッチングがスタートです。利用客を伸ばすなか、2008年に熊本と天草本渡を結ぶ航路廃止が決定。その代替海上交通として、天草宝島ラインを運航しました。最初は三角―本渡間の運航でしたが、2年間で5千万円の赤字と大変な苦戦でした。11年3月には九州新幹線が全線開通し、熊本から三角駅まで観光列車「A列車で行こう」が運行開始。宝島ラインも水戸岡鋭治氏がデザインした船に一新し、三角―松島港を結ぶ航路で列車との一体化をはかり、乗船客は爆発的に増えて黒字化が続いています。

 ――イルカウォッチングの状況は。

 イルカ事業者15社で、年間約15万人の利用客ですが、当社がそのうち2割の約3万人。売上ベースで3割強を占めています。このうち、FIT(海外個人旅行)がJR九州のレールパス利用で約1万人。乗船客の40%はインバウンドです。中国が50%を占め、香港が35%、台湾5―8%。ラグビーW杯で欧米も増えました。ホームページも6カ国の多言語化し、予約システムも5カ国語で対応しています。

 ――ミオ・カミーノ天草の役割は大きい。

 松島エリアの再開発拠点です。4年前に観光複合施設・リゾラテラス天草が開業し、隣接してカミーノの誕生です。陸上交通は熊本市内から九州産交バス、海上から宝島ラインが三角まで結びます。ここでイルカや天草五橋、サンセットのクルージングに乗船でき、シーカヤックやSUPヨガ、ほかのマリンスポーツも楽しめます。

観光情報発信拠点「ミオ・カミーノ天草」

 ――屋内の施設も充実していますね。

 AIで天草観光モデルコースが作成できるシステムを開発。タブレット端末6台を設置し情報提供を行っています。ボルダリング体験やレンタカー、電動レンタサイクル利用もできます。フードコートやバーベキュー施設、地元特産品の売店なども充実しています。

 ――さて、球磨川くだりの経営再建は。

 人吉市の第3セクターの球磨川くだり株式会社は、約1億5千万円の借金を抱えていました。1月25日に業務提携し、36・6%の株式を取得して5年契約で経営再建を目指しています。補助金もなく、借金も返済しています。既存船9隻も整備し、新たに水戸岡氏デザインの26人乗りの船を2隻導入しました。運航時間の見直しや社員の意識改革も進めています。ネット予約と旅行会社の商品設定も増え、乗船客も確実に増加しています。目先と5年後を見た経営をしなければいけません。

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