日本旅行、営業利益を20億円規模に 新たな中期経営計画の概要発表
2019年12月24日(火) 配信
日本旅行(堀坂明弘社長)は12月24日(火)、2020年からスタートする中期経営計画「『TRANSFORM 2025』―Evolution for Customers―」の概要を発表した。法人営業などに特化し、20~25年度の6年間で営業利益を20億円規模に成長させるとした。
現在の中期経営計画は20年度まで設定しているが、同計画の目標(営業利益7億円)を24日時点で達成している。このほか、インターネットの発展で変化する旅行市場に「適時、適切な対応」(同社)をするため、1月1日(水)から「『TRANSFORM 2025』―Evolution for Customers―」の一部を前倒しで始める。
経営目標は主に2つの柱でまとめた。1つは営業利益20億円規模の達成。2つ目は「構造改革による収益基盤の確立」を掲げた。
目標達成に向けた基本戦略として、マーケット環境の変化を踏まえ同社がグループとして培った強みを生かせる事業を強化し、構造改革の推進をはじめ、親会社のJR西日本のグループ全体の価値向上として、MaaS開発などで連携する。このほか、25年に開く大阪・関西万博とワールドマスターズ関西などイベントを最大に活用し、取り込みをはかる。
法人営業では成長領域の「インバウンド」と「MICE」、「教育旅行」、「BTM」、「地方創生事業」を最重点分野として強化。具体的には、新卒採用の拡大などで法人営業部門に人員を集中させる。東京と京阪神でグローバル営業やBTM営業との連携強化も行う。
堀坂明弘社長は12月24日(火)に開いた会見で「(中期経営計画の期間中)法人営業は東京と京阪神に勝負を賭ける」と力を込めた。
経営管理部の田代修部長は、25年の同社のイメージについて「法人営業に特化した会社になっている」と語った。
個人旅行営業では、環境変化に対応し、販売チャンネルを最適化する。この一環で、同社のリテール部門と日本旅行オーエムシートラベル、日本旅行サービスの経営統合を20年4月を目途に行い、新会社を設立する。「他社なので意思疎通が遅いこともあった」(堀坂社長)とし、正確な指示系統づくりを進める。このほか「営業エリアが重複している店舗を見直し、最適化する」(同氏)と狙いを説明した。
新たな事業展開として、JR西日本グループ全体の成長にも資する新たな事業を積極的に展開する。海外発着商品の営業を現地法人で推進し、持続的成長が見込まれるという、東南アジアや中国などで法人営業に力を入れる。
なお、具体的な営業利益や売上高など詳細な発表は、2月28日(金)ごろを予定している。