【特集 No.543】訪台日本人数250万人へ 東旅協、台湾視察で交流深める
2020年1月21日(火) 配信
東京都旅行業協会(村山吉三郎会長)は昨年12月18―21日、日台の双方向流促進に向け台湾視察旅行を行った。村山会長や市川享副会長ら9人の役員が参加した。深く現地に入り、台湾北部の硬直化した観光コース以外の魅力を探った。訪日台湾人数約480万人、訪台日本人数約200万人といった不均衡な状況を解決する一翼を担う。中華民国ホテル旅館・旅行業国際推進協会(徐銀樹理事長)から招待を受け、台湾北部の新北と新竹、桃園の3市のコアな地域を見て回り、現地事業者との商談会や現地観光局と交流会などを開いた。【平綿 裕一】
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台湾北部の新北と新竹、桃園の3市の観光局は近年、訪台日本人が伸び悩んでいることを懸念していた。現状を変えようと、今回、徐理事長らの協力を得て視察旅行を実現させた。初日の12月18日は商談会と交流会を開いた。19日以降、東旅協一行は3市のディープな観光地を巡り、新コース造成への糸口を探った。【現地視察・3面】
商談会では、3市の宿泊・飲食・土産施設のほか、バス事業者ら約80―90人の観光関係者が詰めかけた。テーブルの前には順番待ちができ、自分たちの番が来ると熱心に商材を売り込んだ。
2020年から、日本の大手旅行会社と契約を結んだという宿泊事業者は「まだまだ日本人は少ない。ぜひ活用してほしい」と息巻いた。
一行も彼らの熱量に応えた。説明を受けたうえで、対応可能人数や現地での移動・予約方法などを確認し合った。
「何度も訪れた台湾だが、こんな場所は知らなかった」「商品に組み込みやすい施設も多い」「熱心にPRしてくれた。受け入れにとても力を入れている」などと、一定の成果を得たようだった。
18年、訪日台湾人数は約480万人だった。訪台日本人数は19年12月に初めて200万人を超えたものの、その差は依然大きい。
徐理事長は18日に開かれた交流会で、日台における旅行者数の開きを縮められるよう、力を貸してほしいと呼び掛けた。
今回の視察を通じ、新たな旅行商品の造成や誘客を一行に要請。そのうえで、22年までに「訪台日本人数250万人を目指す」と200万人達成後の新たな目標を掲げた。
交流会で村山吉三郎会長はまず、東日本大震災発生時、台湾から200億円以上の義援金があったと謝辞を述べた。
台湾北部エリアは魅力が多いがまだ日本人に知られていない箇所もあるとし、「(東旅協を挙げ)訪台日本人の増加に協力していく」と強調した。
現地メディアからのインタビュー時には「航空座席が確保できないことが送客の壁だ」と業界全体の意見を代弁。フライト便数の増加や大型機の導入などの改善策についても言及した。
※詳細は本紙1784号または1月27日(月)以降日経テレコン21でお読みいただけます。