JSTO新春セミナー 田川会長「物を売るだけでなく、日本の心を売るような仕事を」
2020年1月23日(木) 配信
買い物を軸とした訪日観光プロモーションを行う「ジャパンショッピングツーリズム協会」(JSTO、田川博己会長)は1月22日(木)、東京都内で「JSTO新春セミナー」を開いた。田川博己会長は今夏の東京オリンピック・パラリンピック開催を控え、「物を売るだけでなく、日本の心を売るような仕事をしていく必要がある」と述べた。
さらに「地域の物が東京に集まり、東京が『日本のショーケース』になる流れを作っていきたい」との考えを示した。
基調講演は「東京オリンピック・パラリンピックに向けた訪日旅行者の動向」をテーマに、JTBグローバルマーケティング&トラベルの執行役員・吉村久夫氏が登壇した。
JTBがラグビーW杯2019日本大会から展開している日本初の事業「スポーツホスピタリティ」を紹介。観戦チケットだけでなく、日本の上質なおもてなしや感動体験を融合させることで、「顧客の記憶にサービスや企業ブランドが長期的に記憶される」と説明した。
東京オリンピック・パラリンピックについては、「前回と前々回の大会では、訪日客1人あたりの消費額が大会前後で2割強増加した。前回大会の滞在中の平均支出額は約26.1万円で、観戦目的以外の旅行者の約2倍」とのデータを紹介。
そのうえで、東京オリンピック・パラリンピックでも訪日客の消費に「期待できる。だが旅行者は観戦目的のため、限られた時間の中でショッピングをする。事前に情報を提供し、彼らに認識してもらえるかが重要になる」との考えを述べた。
JSTOは、海外に日本のショッピングの魅力を発信するほか、訪日客の満足度を高める活動を行っている。会員には百貨店などの小売流通業のほか、観光業や民間企業、業界団体などが参加している。
現在、同協会では2月28日(金)まで、訪日外国人向けショッピングイベント「Japan Shopping Festival2020」を日本小売業協会とともに開催。訪日客の消費を高めるため、キャンペーンや情報発信を行っている。