「味のある街」「二十四節気旬のお昼ごはん」――心花舎(長野県安曇野市)
2020年2月8日(土) 配信
その店は長野県安曇野市の観光ルートにもなっている安曇野山麓線沿いにある。大町市で郷土料理研究家の先生から指導を受けていた倉科穂澄さんが、カフェの開業を目指すことになったのは、北アルプス国際芸術祭で食のパフォーマンスを行ったのがきっかけで、地産地消の重要性を感じ取ったという。
開業に向けて準備を始めると風も吹き始めた。「運と縁とタイミングが一気に押し寄せてきて、今こそ私の出る幕だ」と直感し、「どうしてもここで開業したい」と心に決めたという。
「郷土料理というのは田舎料理ではなくその土地の食材を使い旬のものを提供すること」がモットーだという倉科さんが、オーナーを務める心花舎を昨年12月に訪ねた。
心花舎は、2018年11月1日に開業した新しい店だ。「50代以上の方が、本当に美味しいご飯を食べられる“癒しの場所”にしたかったんです」と思いを振り返る。「大人世代の隠れ家」「和める花空間カフェ」がオープンしたと、近所の方や観光客など県外の方をも虜にすると評判を呼んでいる。地元安曇野や信州産の旬のお野菜や食材をふんだんに使った 「二十四節気 旬のお昼ごはん」をいただいた。「季節を追い掛けながら主婦では考えもつかないような食材を、『こういう食べ方があるのよ』と提案したいという思いをメニューにしてみただけ」とおっしゃる。
サンマに山椒を利かせ、パン粉をまぶしてロールにしたり、生のビーツを使ったボルシチなど届いたばかりの旬の野菜を見ながら2週間ごとに変わるメニューを決める。見た目に美しく食べて美味しく身体にも良いのだからこんなにうれしいことはない。10~90代まで年齢層は幅広く、ほとんどがリピーターだというのだから、人気のほどが伺える。安曇野の風景を眺めながら一汁三菜(メイン、副菜、サラダ、お汁、ご飯)をたっぷりいただき大満足のランチタイムを過ごすことができた。
そうそう、倉科さんはフラワーアレンジメントの教室も開いており、店内の装飾や販売している小物なども味に彩りを添えている。
(トラベルキャスター)
コラムニスト紹介
津田 令子 氏
社団法人日本観光協会旅番組室長を経てフリーの旅行ジャーナリストに。全国約3000カ所を旅する経験から、旅の楽しさを伝えるトラベルキャスターとしてテレビ・ラジオなどに出演する。観光大使や市町村などのアドバイザー、カルチャースクールの講師も務める。NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長。著書多数。