NAA、1月の発着・旅客数は最高値 田村社長「新型コロナの影響注視」
2020年2月27日(木) 配信

成田国際空港(NAA、田村明比古社長)が2月27日(木)に発表した2020年1月の航空発着回数は、前年同月比5%増の2万2914回、航空旅客数は同7%増の382万6267人と共に過去最高を記録した。国際線と国内線の両方で新規就航や増便があったほか、昨年2月だった春節が1月に前倒しになったことが好調の要因となった。
航空発着回数のうち、国際線は同5%増の1万8109回、国内線は同6%増の4805回となった。中国線で19年冬季スケジュールから新規就航、増便が相次いだことが発着回数の増加につながった。
総旅客数のうち、国際線の旅客数は同7%増の319万6223人で、1月として初めて300万人を突破した。外国人旅客数は同11%増の164万4660人と2ケタ増だった。
国内線旅客数は同6%増の63万44人。下地島線と庄内線の新規就航をはじめ、福岡線と名古屋線、仙台線で増便したため、旅客数が増加した。
□中国線出国旅客数 66・5%減少
2月の中国線における発着回数は22日(日)時点で、前年同期比23・1%減の1179回。出国旅客数は同66・5%減の4万2400人だった。国際線全体の発着回数は同5・7%減の1万243回、旅客数は同17・8%減の83万2800人となった。
2月27日(木)に開いた会見で田村社長は「新型コロナウイルスが全世界に広がるなか、全方面の路線で影響が出る可能性がある。動向を注視したい」と語った。
同社は引き続き、空港検疫所との連携を密にしていくほか、SNS(交流サイト)や案内表示機などで感染への注意喚起を行う。
なお、昨年の春節開始・終了日は2月だったことから「一部は春節がずれた影響もある」(田村社長)とした。
□時差出勤を実施 NAA独自のコロナ対応
NAAは独自の新型コロナウイルスに対する感染リスク軽減対策として、2月20日(木)から、シフト勤務以外の従業員について時差出勤を実施している。期間はコロナウイルスが沈静化するまでに設定した。
同社主催の不要不急な行事を中止している。すでに、3月上旬に開催予定だった、新卒者向けの会社説明会の実施を見送った。
□観光資源磨く DMC設立も検討
田村社長は、2月10日付で設置した観光地域づくりを含む地域振興などを行う「機能強化・地域振興調整室」が行う業務についても触れた。
同室の方針として、成田国際空港周辺にある観光資源や産品などの魅力向上や掘り起こしを民間主導で行うことを示した。今後は、DMCの設立の検討を行う。