NAA、2月の発着回数は過去最高 国内線は7%増の59万人
2020年3月27日(金) 配信
成田国際空港(NAA、田村明比古社長)が3月26日(木)に発表した2020年2月の航空発着回数は、前年同月比1%増の1万9687回、国内線の旅客数は同7%増の59万4466人とそれぞれ過去最高になった。下地島線などの新規就航のほか、福岡線と名古屋線などの増便、うるう年だったことが要因だ。
一方、総旅客数は同15%減の286万166人。新型コロナウイルスの感染拡大で、国際線が大幅に減少した。
航空発着回数のうち、国際線は同3%減の1万5195回、国内線は同17%増の4492回となった。
総旅客数のうち、国際線の旅客数は同19%減の226万5700人。外国人旅客数は同35%減の89万4112人で、100万人以下の旅客数は15年11月以来となった。
田村社長は「大変厳しい。外務省が全世界への不要不急の渡航を控えるよう要請したことで、これから先はさらに減少する可能性がある」と危機感を示した。
□国内線は堅調に推移 3月発着数は3%増
3月21日までの国内線発着回数の速報値は、前年同期比3%増となっている。旅客数も発着回数と同程度、堅調に推移している。
一方、国際線の発着回数は同33・8%減少している。
出国旅客数は同72・7%減。このうち、台湾線は同92・2%減の7000人、中国線が86・9%減の1万5300人、韓国線は92・5%減の9300人、香港線が同89・0%減の1万100人、韓国線は92・5%減の9300人と大幅に減少した。
田村社長は「航空業界は存亡の危機に立たされている。手を携えて立ち向かうとき」と意気込んだ。
□100億円規模の支援へ 航空など400社対象
NAAは3―5月まで、航空会社や空港のテナントへの経営支援として、20億円の料金減免措置を講じる。
料金減免の対象は航空会社のカウンターの使用料と、旅客手荷物取扱施設・搭乗橋の利用料金、リテール店舗のテナント料。減免額は料金の20%。総額20億円程度を見込む。
80億円規模の着陸料と停留料の猶予措置も検討している。
同社は過去に東日本大震災や同時多発テロの際、同様の措置を講じたが、今回の支援は過去最大の規模となる見込み。
田村社長は「関係各所と団結して、運航便の回復、航空会社の経営環境の正常化をはかってほしい」と語った。
一方、同社の収支が悪化する見込みであるため、国土交通省に対して、初めて支援を求めた。