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【特集No.550】「高速バス・マーケティング・セミナー2020」 価格変動制、FIT…業界の変化探る

2020年3月31日
編集部:入江千恵子

2020年3月31日(火) 配信

 高速バスマーケティング研究所は3月3日(火)、バス事業者らを対象に「高速バス・マーケティング・セミナー2020」を開いた。刻一刻と変化するバス業界において、今後の取り組みやダイナミック・プライシング(価格変動制)の導入、FIT(海外個人旅行)の取り込みについて、代表の成定竜一氏と各講師が説明を行った。当初は東京・品川の会場に全国から120人超の出席者が集まる予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大を受け、ユーチューブのライブ配信に変更し、全国の視聴者に届けられた。
                             【入江 千恵子】

運賃対策が必須の時代に

 成長が続く高速バス市場。2015(平成25)年度の年間輸送人員が1億人を超え、国内定期航空輸送の旅客数を約2千万人上回った。

 成定氏ははじめに、高速乗合バス(以下、高速バス)の歴史と「3つの市場」について説明した。

 高速バスの誕生は、前回の東京オリンピックが開催された1964(昭和39)年にさかのぼる。五輪開催に合わせ、高速道路の開通や道路整備が行われたことを機に、国は国鉄バス(JRバスの前身)と、沿線のバス事業者が出資する合弁の高速バス専業者にのみ事業免許を交付した。

 1980年代に入ると、地域の乗合バス事業者が次々と高速バスに参入。第1の市場となる「地方→大都市」路線の市場開拓が行われた。地方の既存乗合バス事業者は地元で需要喚起を行い、大都市側事業者はターミナルや座席管理システムなどの整備を進めた。

 2000年代に入ると、乗合バス事業の規制緩和を経て、旅行会社を主催者とする高速ツアーバスが誕生した。第2の市場「大都市↕大都市」路線が増加し、大都市同士を結ぶ路線(東京―大阪、名古屋、仙台など)が急成長。その後、複数の事業者が競合し、座席や内装などで差別化をはかり、お客が「バスを選んで乗る」時代に突入した。

 今後は、第3の市場「大都市・海外→全国」路線が成長分野になると予想される。日本人、訪日客ともに旅行形態が“団体”から“個人(FIT)”に変化しているのに合わせ、大都市から全国各地へ、海外から大都市経由で全国に移動する“観光客市場”となるとみる。市場開拓には「商品性」と「販売力」の両方が必要となる。これらを踏まえ、バス事業者が取り組む課題を探る。

【全文は、本紙1791号または4月7日(火)以降日経テレコン21でお読みいただけます。】

 

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