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JATAのアウトバウンド促進協議会、ミレニアル世代女性をテーマにWebセミナー開く コロナ禍の旅行意識調査結果も

2020年4月16日
編集部:入江千恵子

2020年4月16日(木) 配信

バリーズCEOの野々村菜美氏。東京・表参道のオフィスから発信を行った。

 日本旅行業協会(JATA)のアウトバウンド促進協議会(JOTC)は4月14日(火)、旅行会社向けのオンラインセミナーを行った。新型コロナウイルス感染症収束後の反転攻勢に向け、「ミレニアル世代女性へのアプローチ」をテーマに、彼女たちが求める旅のスタイルや、最近の旅行意識調査結果などについて説明を行った。

 講師は、女性向け海外旅行ウェブサイト「TabiMUSE」の主宰者で、バリーズCEOの野々村菜美氏が務めた。インターネットやスマートフォンを使うことに慣れているミレニアル世代(1981~1996年生まれ)は趣味嗜好が多様化し、「万人受けするものよりも、ニッチを好む」と強調。

 そのうえで、野々村氏は「ミレニアル世代は、事態終息後に一番早く戻ってくる世代」と予測。「旅行需要の復活に向けて、ミレニアル世代のパワーが重要になってくる。私たちがこれまでに展開してきたサービスなどの知見を共有することで、ツアー造成やプロモーションに役立ててもらえれば」と述べた。

 「TabiMUSE」の中心読者層でもあるミレニアル世代の特徴について、テレビや雑誌をみることが少なく、広告に不信を持つ一方で、インスタグラムで旅行内容を決めるなどSNS(交流サイト)で意思決定をする特徴があると語った。

 これらを踏まえ、ミレニアル世代の旅について、①旅先に求めること②一緒に旅をしたいひと③理想としている旅のスタイル④旅先でのスケジュール――の4点に分類し、説明を行った。

 1つ目の「旅先に求めること」は、“どこに行くか”ではなく“何をするか”で旅先を決めるとし、「その場所で何ができるか分かりやすく、明確にイメージできるよう(プロモーション)することが大事」とアドバイスした。

 2つ目の「一緒に旅をしたいひと」は、親友より共通の趣味などを持つ人とだとし、「SNSでコミュニケーションを取ることに慣れている。初対面でも自分と同じ“好き”を持つ人なら一緒に旅をすることに抵抗がない」と述べた。

 3つ目の「理想としている旅のスタイル」は、従来の“出発~帰国”だけでなく、“旅マエ準備から帰国後のSNS発信まで”が旅と捉えていると語った。野々村氏は「観光地でどのような写真を撮るか、レストランでどのような服を着るかなど、旅の準備段階から彼女たちの旅は始まっている」とした。

 また、「誰かに影響を与えたいという思いから、発信することを目的に旅をする人も多い」と述べ、「各々のサービスを、より魅力的に彼女たちに妄想させることが重要」と提案した。

 最後の「旅先でのスケジュール」は、短い日数で行程を組む“効率主義”が欠かせないとした。「仕事の休みが取りづらいといった意見が多い。旅行中の彼女たちは、早朝から行動することもいとわない」と報告した。

 野々村氏は同社がプロデュースしたニッチな旅について、「インフルエンサーのカフェトラベラーと行くバンコクツアーは、2泊3日で14万8000円と高額ながらも発売から1週間で募集人員15人が満席になった」と紹介。

 ツアーの特徴は、1日で3~4軒のカフェをめぐるほか、カフェを貸し切って写真撮影に専念する時間を確保。造成の際は「企画段階からSNSで情報発信し、読者を巻き込んで作る手法をとった」と述べ、読者が自ら企画造成に参加している意識を持たせることが必要だと総括した。

新型コロナウイルスに関する旅行意識調査

 同社は今年3月29日(日)~31日(火)、TabiMUSE公式ライン登録者と公式インスタグラムフォロワーを対象に「新型コロナウイルスに関する旅行意識調査」を実施。回答した454人のうち、26~35歳までの層が52%、ミレニアル世代が約80%を占めた。

 「再び海外旅行に行くために検討を始めるタイミングは」の問いには、「WHOが『終息宣言』を発表したら」と答えた人が5割にのぼり、専門機関の情報が必要とされていることが伺える。

 「事態終息後に行きたい旅先」は、ハワイが44.7%と半数近くを占め、次いでオーストラリアの24.7%、日本国内の23.8%と続いた。4位以降はタイや韓国、バリなど近隣アジア諸国が占めた。

 同社では3月上旬に行われた前回の調査と比較し、「すべてのエリアの数値が上昇し、収束後の旅行意欲はすでに高まっていると感じられる」と分析する。そのうえで野々村氏は、「ハワイ、韓国、台湾はリピーターが多く、人気が落ちない。終息後はこれらの地域から海外旅行に出掛けるのでは」と述べた。

 さらに、「旅の魅力を発信し続けることが大事。次回の旅に対して、より楽しみに思っている人がいる。国やサービスの魅力を発信することで、必ず受け止めてくれる人がいる」と力を込めた。

 一方で、「まず国内で旅の感覚を取り戻して、国内旅行を盛り上げることが海外旅行の復活につながるのでは」と期待を寄せた。

国内女子旅プロモーション・オンライン無料相談サービス

 バリーズでは4月15日(水)から、国内女子旅プロモーション・オンライン無料相談サービスを始めた。オンラインビデオ会議を通じて、女性向けの宿泊プランやメニュー開発、SNSの活用方法などを相談できる。事前ヒアリングフォーム(https://forms.gle/H3rd333mhdVMrwdw6)に入力後、担当者から折り返し連絡がくる仕組みとなっている。

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