GWの石垣島、観光施設閉鎖 空路直行便も全便運休に 「おじぃ、おばぁの命守るためにも」来島控えて
2020年4月28日(火) 配信
川平湾など多くの景勝地を抱える沖縄県石垣市(中山義隆市長)は4月24日(金)、市独自で発令している緊急事態宣言の期限を当初の4月30日(木)から、5月6日(水)まで延長すると発表した。観光客などに対して、ゴールデンウイーク(GW)中に石垣島への旅行を控えるよう強く求めている。
これに先駆けて同市は、4月22日(水)から、川平公園や底地(すくじ)海水浴場、米原キャンプ場など11カ所の観光施設とキャンプ場を閉鎖。中山市長は閉鎖措置を発表した21日夕方から連日、FMいしがきサンサンラジオの番組に出演し、「(観光施設だけでなく)店や飲食店もすでに自粛休業している。『石垣島に来ても見るところはありません』と全国に発信し、申し訳ないが今年のGWは石垣島に遊びに来ることを諦めてほしい」と訴えている。
そのうえで「GWに(人の動きを)止めないと、新たな感染源が入ってくる可能性がある」と危機感を募らせた。また、島出身者の帰省についても触れ、「おじぃ、おばぁの命を守るためにも、軽い気持ちで帰省しないで」と呼び掛けた。
石垣島と本土との直行便を運航する航空3社は、GW期間中の全便運休が決定。那覇便も、日本トランスオーシャン航空(JTA)と全日本空輸(ANA)が大幅に運航本数を減らしている。
市内に住む女性は「買い物は週1回に減らしている。外を歩いている人もほとんど見掛けなくなった。離島の医療は限られるので、内地からの旅行は控えてほしい」と心配そうに話した。
石垣島にある病院の感染症病床は数が限られるうえ、診療所のみの竹富島や西表島などで新型コロナウイルス感染症患者が発生した場合は、石垣島などに搬送されることになる。
中山市長は市のホームページで「観光客の皆様、石垣市は、公園や体育施設なども閉鎖し感染拡大防止に市民全体で取り組んでおり、不便な生活を余儀なくされています。どうか、石垣島への不要・不急の旅行を控えていただきますよう、よろしくお願いいたします」との声明を発表している。
同市では28日(火)に4人目の感染者が確認された。新型コロナウイルス感染者がほかにもいる可能性が排除できないこと、国と県が5月6日(水)まで緊急事態宣言を発令していることなどを考慮し、発令期間を延長している。