成田国際空港、3月の発着回数は約3割減 コロナで減便と運休相次ぐ
2020年4月28日(火) 配信
成田国際空港(NAA、田村明比古社長)が4月28日(火)に発表した3月の航空発着回数は、前年同月比31%減の1万5511回、旅客数は同67%減の130万5204人と大幅に減少した。新型コロナウイルスの感染拡大で減便と運休が相次いだことが主な要因だ。
航空発着回数のうち、国際線は同39・0%減の1万865回、国内線は同0・3%減の4646回となった。
旅客数のうち、国際線の旅客数は同73%減の85万8563人。このうち、外国人旅客数は同82%減の27万6281人。国内線は同36%減の44万6641人。札幌線や伊丹線、関西線などが大幅に減少した。
田村社長は「この状況が長引くと、経営が厳しい。空港は国の重要インフラであり、政府に支援を受けられるように相談する」と話した。
同日には2019年度に過去最高値を記録した発着回数と旅客数も発表した。このうち、総発着回数は前年度比1%増の25万8497回。国内線発着回数は同6%増の5万5794回、国内線旅客数が同2%増の746万914人。
国際線旅客数は同5%減の3401万8964人。1月まで堅調に推移したが、新型コロナウイルスの影響で2月と3月には、前年同月を下回った。
□4月発着は約9割減 関係各所と準備へ
4月25日(土)までの国際線発着回数の速報値は、前年同期比85・1%減の1852回。旅客数は98・3%減の1万9800人。とくに、オセアニア線は99・9%減の100人となった。
一方、最も減少率が低かった路線は中国線と韓国線で、同97・0%減だった。旅客数は中国線が4400人、韓国線が3900人。
これまでに経験のない新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、田村社長は「関係各所と収束後に迅速な対応ができるように、準備を進める」と意気込みを述べた。
□役員報酬を減額 痛み分かち合う
田村社長をはじめ、同社の役員と管理職は、役員報酬を3カ月自主返納する。田村社長はB滑走路の閉鎖やターミナル施設の一部閉鎖で、取引先に多大な負担を掛けていることを理由に挙げた。そのうえで「痛みを分かち合い、難局を乗り越える必要がある」と語った。
返納する額の割合は、代表取締役が20%、役員は10%、管理職は5%となる。
なお、例年発表しているゴールデンウイークにおける利用予想の発表も中止した。理由として世論から「旅行を推奨している」との批判を回避したい考えを示した。