皆で解決の糸口探る 観光・宿泊業務向けの支援サイト立ち上げ 観光経済活性化コンソーシアム
2020年5月13日(水) 配信
ニッポンの宿を元気にしたい有志が主宰する「観光経済活性化コンソーシアム(TEVIC)」はこのほど、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で打撃を受けた観光・宿泊業向けに、支援サイトを立ち上げた。Webサイト「がんばろう! ニッポンの宿」では、専門家に質問し回答が得られるほか、掲示板を利用してもらい、集合知によって今後の解決策の糸口を探っていく。
□運営メンバー
同サイトの運営メンバーは、井門隆夫氏(井門観光研究所代表)、小原正也氏(シンチレーション代表)、桐明幸弘氏(インテグリティサポート代表)、沢柳知彦氏(立教大学大学院ビジネスデザイン研究科特任教授)、高橋太氏(リンクアンドクリエイション代表)、高橋宏明氏(日本ベストサポート)、髙松正人氏(観光レジリエンス研究所代表)、森谷義博氏(日本ベストサポート)ら8人の専門家。低迷する業界を支えるために、それぞれの専門分野の見地から問題解決策のヒントを提案する。
□サイト開設にあたり
発起人の1人である森谷氏は「会社の代表としてではなく、あくまで一個人として私的ボランティアのつもりで支援サイトを立ち上げた」と語る。20年以上携わってきた業界が直面した未曾有の事態に「皆が将来の見通しが立たず不安を募らせているなかで、何とか復興してほしいという思いだ」と強く思いを示す。志を同じくする有志を集めて4月上旬には話をまとめ、速攻でプロジェクトを始動した。
□「がんばろう! ニッポンの宿」について
同氏はコロナ禍による打撃を「かつてない大変な事態であるため、決定的な正解がない」とした。これを踏まえ、専門家の一方的な意見とならぬように、サイト上の掲示板で読者同士が自由に情報交換や意見交換ができるのが特徴だ。
4月末時点で寄せられている質問は助成金に関するものが多い。集まった質問になるべく当てはまるような回答を、専門家が解説する。より詳しい回答が求められる場合は、相談する専門の窓口を紹介するなど、サイトの利用者に積極的な情報収集を促す案内をしている。
このほかにも、利用者の現状を知るために毎週アンケートを実施し、週に1回結果を報告している。
明確な答えがないコロナ危機をどう生き残るかという課題について集合知を利用することが有効。「作戦会議室」と名付けられたサイト内の掲示板で、情報交換や意見交換を推奨している。現状だけではなく、他業界で成功した対策などを参考に視野を広げてアイデアを出し合うなかで、より良い解決策を導き出していくことを目的とする。
運営メンバーの議論の中で、最も重要であると考えられている「アフターコロナを見据えた“施設のコロナ対策”」について、積極的に情報発信をしていく方針。
同サイトの運営はコロナ禍が収束、もしくは業界が安定するまでを区切りとする。