ANAHDの2020年3月期決算、純利益75%減の276億円 新型コロナの影響大きく
2020年5月14日(木) 配信
ANAホールディングス(ANAHD)は4月28日(火)、2020年3月期の連結決算を発表し、純利益は前期比75.0%減の276億円となった。売上高は1兆9742億円(同4.1%減)、営業利益は608億円(同63.2%減)、経常利益は593億円(同62.1%減)の減収減益だった。
新型コロナウイルス感染拡大により、とくに第4四半期の航空需要が大幅に減少。航空事業は運航便の調整などで費用の削減をはかったが、売上高が大幅に減少し、営業利益、経常利益のいずれも減益となった。
特別損益はマイナス78億円で、航空機の受領遅延やエンジンの不具合に対する補償金を計上したが、ピーチ・アビエーションに係るのれんの減損などを行い、純利益も減益だった。
セグメント別では、航空事業の売上高が1兆7377億円(前期比4.2%減)、営業利益が495億円(同69.1%減)、航空関連事業は売上高が2994億円(同2.9%増)、営業利益が181億円(同37.7%増)、旅行事業が1439億円(同4.5%減)、営業利益が13億円(同129.9%増)、商社事業は売上高が1447億円(同3.9%減)、営業利益は29億円(同21.5%減)。
航空事業は、国際線で新規都市への就航を積極的に行ったが、2月から新型コロナウイルスの影響による需給調整を行い、3月末までに71路線・2814便を対象に運休・減便を実施した。国内線は各種割引運賃を需要に応じて設定し、好調に推移。だが、国際線同様に減便を開始し、42路線・2674便の運休・減便を行った。
LCCは昨年10月にバニラ・エアの運航が終了し、ピーチ・アビエーションとの事業統合が完了した。一方で、2月から国際線の一部で運休を行い、3月末までに国際線・国内線合わせて23路線・2088便を対象に運休・減便を実施した。
なお、2021年3月期の連結業績予想は、新型コロナウイルス感染症の影響を現時点で合理的に算定することが困難であるとし、未定とした。